NHK映像ファイル あの人に会いたい「赤瀬川原平(前衛芸術家・作家)」 2015.02.07


(テーマ音楽)
(赤瀬川)いいね〜。
何気ない日常の中に芸術を見いだす。
観察する事が赤瀬川さんの表現の出発点でした。
観察は自分の老いにも向けられ著書「老人力」も生み出しました。
赤瀬川さんは昭和12年横浜市に生まれます。
貧しかった少年時代常に身の回りで面白い事を発見しては家族を和ませていました。
高校卒業後は好きだった絵を学ぶため東京の美術学校へ進学しました。
やがて時代は60年安保へ。
若者たちは既成の価値観を覆すために闘うようになります。
美術の世界でも同じ事が起きていました。
赤瀬川さんは仲間と前衛芸術のグループを結成。
芸術で既成概念の破壊を試みます。
屋上からかばんや服などを落としたこのパフォーマンス。
地面をキャンバスに見立てたのです。
また缶詰を見つめるうちにラベルを内側に貼る事を思いつきました。
再び封をすると外にある私たちの宇宙が缶の中に閉じ込められるという発想です。
次第に興味は徹底した観察へと向かいます。
横1.8メートルの巨大な千円札の作品。
観察に観察を重ね不可能と思われた紙幣の模写をしてしまいました。
面白いぞっていうんでそれを分析しているうちに…ところが展覧会の案内状などに千円札を原寸大で印刷した事が問題となり通貨模造の容疑で起訴されてしまいます。
世間の注目を集めた千円札裁判。
赤瀬川さんは裁判所で作品について語る事になります。
まあ6日間ありましたかね…。
執行猶予つきの有罪判決が確定。
しかし赤瀬川さんはこの経験を通して言葉にする面白さに目覚めます。
夢中になった赤瀬川さんは純文学小説に挑みます。
尾克彦というペンネームで芥川賞を受賞。
父の遺骨を納める墓地を探す主人公の心の動きをつづりました。
その後小説やエッセーを次々と発表し著作は120冊を超えました。
49歳の時今度は路上観察学会なるものを立ち上げます。
今まで気付かなかった路上の観察に引かれていったのです。
カメラを片手に美しいものではなく意表をつく景観を探します。
これはすごいですね。
東京・四谷で不思議な階段を見つけます。
上って下りるだけ。
目的のない階段。
赤瀬川さんは路上には芸術を超えたものが存在すると言います。
あそこのねあれもそうなんですよね。
楽しみながら日常を観察しその中に芸術を見いだす。
赤瀬川さんの表現は路上観察で花咲きました。
観察は自分自身の老いにも向けられます。
69歳の時に書いたエッセー「老人力」。
物忘れや目のかすみなどの自分の老いを前向きに受け止める事で老いを逆に楽しんでしまおうという発想です。
「老人力」は多くの高齢者を勇気づけベストセラーに。
平成10年の流行語大賞にも選ばれました。
そうするとパッと感じて体で「これはいいな。
いい色だな」とかね…「老人力」の中にこんな一節があります。
日常を見つめ続けて芸術を超える存在を見いだした赤瀬川原平さん。
どんな時も発見と感動を大切にした77年の生涯でした。
見てるけど気が付かないものを気が付く面白さっていうのは…2015/02/07(土) 05:40〜05:50
NHK総合1・神戸
NHK映像ファイル あの人に会いたい「赤瀬川原平(前衛芸術家・作家)」[字]

前衛芸術家、作家、そして「路上観察」の活動で知られる赤瀬川原平さん。どんな時にも発見と感動を大切にした赤瀬川原平さんのユニークな発想の原点を探る。

詳細情報
番組内容
赤瀬川原平さんは、1950年代後半から前衛芸術家として活動。世の中に一石を投じる作品を発表し続けたが、千円札をオブジェとして模写した際には起訴され、いわゆる「千円札裁判」になった。その後、1981年に短編「父が消えた」で芥川賞を受賞、エッセイ「老人力」はベストセラーになり、作家としても才能を発揮した。路上観察学会のユニークな活動でも知られる。発見と感動を大切にした赤瀬川原平さんの発想の原点を探る。
出演者
【出演】前衛芸術家・作家…赤瀬川原平,【語り】井上あさひ

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
ドキュメンタリー/教養 – インタビュー・討論
情報/ワイドショー – 芸能・ワイドショー

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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