小さな旅「ふくろう舞う里〜山梨県 北杜市〜」 2015.02.07


(テーマ音楽)
大きな目に愛きょうあるしぐさ。
森の賢者と言われるふくろうです
夜行性で警戒心が強いため野生のふくろうを目にする事はめったにありません。
しかし日中その姿を見る事ができる全国でも珍しい場所があります
雪をまとった八ヶ岳。
2,000メートルを超える山々が連なります
その麓にある山梨県北杜市。
観光や酪農が盛んです

町を歩くと目につくのはふくろう

店先にふくろうの置物

町のカフェーには…石や木で出来たふくろうが並びます

ふくろうは北杜市の鳥。
地元の人たちにとって親しみのある存在です
ギャラリーを訪ねると…
八ヶ岳のふくろうですって。
この辺の写真なのかな?立派なふくろうがいるんですね。
ふくろうの写真展が開かれていました
ふくろういるんですね。
そうですね。
私も姿を見た事はないんですよ実は。
ただ声はよくうちにいて聞こえるので。
あっ声してますか?声知ってます。
はい。
どんな感じの?こうちょっと低いホーホーっていう声ですかね。
夜行性のふくろうですが森に餌が少なくなる冬場日中も狩りをするようになります
現れるのは牧草地。
餌となるネズミなどを見つけやすいためです
ちょうどあの柵のある上ですね。
柵の上にちょこっとこう座ってたっていう。
柵の上に留まってたんですか?そうですね。
留まってました。
最初は何か「えっ?」と思ったんですけど「あっふくろうかな」っていう感じで。
まさかこんなとこにいるとは思わなかったんで。
ねえ。
ふくろうを一目見ようと車を走らせる人たちがいました
(齋藤)双眼鏡で見えますか?
ふくろう観察のツアー。
この日は群馬県から6人が参加しました
(齋藤)土管より右側。
道路脇のちょっとしたやぶです。
あの上に何羽か鳥が留まってる。
ガイドの齋藤一紀さん。
ツアーを始めて14年になります
(齋藤)ふくろうどこにいるか分かりませんのでね。
こう移動中もよく周辺の木を見てって下さい。
ぽこっと留まってる事ありますから。
この日案内したのは最近ふくろうが現れたという牧場でした
(齋藤)木のてっぺんにはあんまり留まりませんから木の中間辺りをず〜っと双眼鏡で探していくと見つかる可能性が高い。
北杜市で日中ふくろうが見られるのは12月からのおよそ3か月間。
ふくろうが留まる事の多い木の中ほどに目を凝らします

警戒心が強いふくろう。
人の気配があるとなかなか姿を現しません

結局この日ふくろうには出会えませんでした
会えなかったんですけど森の中にふくろうがいるっていうだけですごいワクワクとしてしまって。
いつかまた会えたらいいなと思います。
ガイドの齋藤さん。
東京にある自然保護団体で働いていました
自然の中で野鳥に関わる仕事がしたいと28年前に北杜市に移住。
バードウオッチングのガイドと事務所を兼ねた土産物店を始めました
移住して8年後自宅から5キロ離れた牧草地で偶然出会ったのがふくろうでした。
これは最初に撮った写真。
悠々と羽ばたく姿に魅了されたと言います
(齋藤)最初の出会いは決してそんなに近くで見られたわけじゃないんですけどね。
明らかにふくろうだって分かる状態で見られましたんでまあその映像というのは脳裏に焼き付いてる。
以来ふくろうに夢中になった齋藤さん

自分の店にはふくろうの土産物が並びます
その数200種類以上。
ふくろうに囲まれた日々です
会えない会えないと思ってた鳥憧れの鳥に会えたわけですからそれがたくさんいるっていう事が分かったって事は私にとっては天国のような気分。

ふくろうを追い求め新たに移り住む人もいます
写真家の斉藤嶽堂さん。
2年前埼玉県からやって来ました
自然の中でふくろうが見せる豊かな表情を撮り続けています

八ヶ岳の森の中優しげな表情を浮かべるふくろう

目を細め獲物のネズミを狙う一瞬です

こちらは生まれて1か月のひな。
2時間かけて警戒心を解き撮影しました
ストロボやライトアップを一切しないで撮影ができる場所というのはこの八ヶ岳の昼間から動くふくろうしか僕はないと思ってるんです。
明るい太陽の中でシャッターを押す事によってふくろうの表情をよりきれいに鮮明に写す事ができる。
朝5時半
ふくろうが出やすいこの時期嶽堂さんは毎日撮影に出かけます
随分冷えますね。
そうですね。
こんな朝早くからいつも準備は…。
そうですね。
このぐらいでやらないとなかなか出会えないんですね。
この日やって来たのは自宅から車で10分。
ふくろうが住む森です
ちょっと帽子をかぶり直します。
驚かれると思いますけど。
こういう…。
え〜っ。
こういうすごいのをかぶらないとね。
木と同化しなくちゃいけないんで。
(笑い声)これお手製ですか?そうです手製ですね。
お手製のこの帽子。
ふくろうに気付かれないようかぶる事にしています
嶽堂さんカメラを構えます
この目線でまっすぐ見たところに白い点がぽつっとあそこに。
あっありますね。
見えますね。
あれ多分そうだと思うんですよね。
そうですか。
もう日が出たんであまり動かない。
脅かしたら飛んじゃうかもしんないし。
目で見る事は。
ぽちっていう点を見る事できますね。
ええ。
あれか〜。
あれですね。
(シャッター音)これですね。
ふくろうがいました
200メートル先からこちらを見つめていました
(嶽堂)会えた時は一日ハッピーに過ごせるんですね。
朝会えば一日中ハッピー。
夕方会えばそこから寝るまでの時間がハッピー。
本当にいてくれてどうもありがとう。
撮らして頂きますっていう気持ちでですねふくろうは撮らして頂いているんですね。

(チェーンソーの音)
ふくろうは長年この地に暮らしてきた人たちにとっても大切な存在です
林業を営む…
開拓に入った父親から受け継いだカラマツ林や県有林の整備や伐採で暮らしを立てています
(チェーンソーの音)
小宮山さんにとって豊かな森の象徴であるふくろうは特別な鳥だと言います
あっここにマツボックリが落ちてますね。
これ多分ネズミがかじった跡だと思うんですけど。
ああほんとだ。
こうやってかじって。
僕ら林業に携わってる人間にとってもやっぱりネズミっていうのはやっかいなものなんですよ。
小さな苗木植えますから根っこを食べられちゃう。
ふくろうがネズミを捕ってくれるっていうのも僕らにとってはすごくふくろうの存在というのは大きいですよね。
ふくろう舞う八ヶ岳の森。
しかし大きな危機を迎えた事がありました。
70年前の山火事で広い範囲が焼けてしまったのです

父親の福一さんたち入植者はカラマツの苗木を背負って焼けた山に登り一本一本植えてゆきました
カラマツはほんとにまっすぐなんですね。
まっすぐですね。
50年かかってふくろう暮らす豊かな森を作り上げたのです
何かやっぱりうれしいですよね。
「あっふくろうだ」っていう。
うん。
だからふくろうに会った時ももっとドキドキするけど声聞いた時もやっぱりね。
「あっふくろうだふくろうだ」という。
先人が苦労して育てた森があるからそういうね。
ふくろうにも会えるっていうか。
12月下旬。
ふくろう観察ガイドの齋藤一紀さん車で出発です
向かったのは県境から3キロ先長野県側の牧草地。
5日前ふくろうが現れたという場所です
あっいたいたいたいた。
あそこだ。
いましたね。
分かる?あの奥の方。
やっと出会えましたね。
もっとず〜っと左。
ほとんど真横。
建物よりず〜っと左側。
分かりますか?牧場近くの林の中の白い点

ふくろうです

牧草地のネズミを狙っているようです

15分後森の中へと消えてゆきました
今のところふくろうの出が悪くてなかなか見られなかったけどこれから本格的に見られるようになるんじゃないかなと思って期待してますけどね。
たくさんの人にふくろうを楽しんで頂けたらというふうに思ってます。
ふくろう舞う里の冬です

(テーマ音楽)
(テーマ音楽)2015/02/07(土) 05:15〜05:40
NHK総合1・神戸
小さな旅「ふくろう舞う里〜山梨県 北杜市〜」[字]

山梨県・八ヶ岳山麓。冬、ここでは夜行性のフクロウが日中にも見ることができるため、多くの人が訪れる。フクロウ観察のガイドや写真家など、フクロウを愛する人たちの物語

詳細情報
番組内容
八ヶ岳山麓にある山梨県北杜市。冬、町の人たちをひきつける野生動物がいます。それが、この地域に多く生息するフクロウ。夜行性のフクロウを目にすることは難しいのですが、この地域では冬の間だけ日中にも姿を見せます。フクロウの表情に魅了され、追い続けるカメラマン。県外から移住して、フクロウウオッチングのガイドをする男性。フクロウの鳴き声を聞きながら生活する夫婦など、フクロウにみせられた人たちに出会う旅です。
出演者
【語り】山田敦子

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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