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都会の片隅に毎日大量のお金が行き交う場所がある。
今日の舞台金券ショップ。
新幹線の切符や映画のチケット更にマッサージ券やコーヒー券まで。
割安なチケットを求め少しでも得をしたい人がひっきりなしにやって来る。
格安チケットの向こうに人はどんな幸せをつかもうとするのか。
3日間見つめてみた。
お正月明けの池袋。
地下街の一角にある僅か3坪ほどの店舗で撮影開始。
早速お客さん。
安くなるのは切手で1円ハガキで6円。
こちらは何を?今どきテレカ?一口に金券といってもいろんな種類や使い方があるみたい。
バブルのあと一気に全国に広まったといわれる金券ショップ。
並ぶ商品は今や100種類以上。
不要になった人から安く買い取ったものなのでどれも定価よりは割安。
ただし得をするのはほとんどが数十円ほど。
それを目当てに次々と人が来る。
いらっしゃいませ。
こちらの女性。
買ったのは地下鉄の切符みたい。
どうしてそこまで節約を?派遣の仕事を転々としているという彼女。
休日の楽しみはおしゃれなお店が並ぶ通りをぶらりと歩く事。
ありがとうございます。
6枚で。
はいかしこまりました。
熱海までの新幹線の回数券。
普通に買うより199円安い。
小学1年からバイオリンを習っている18歳。
音楽家を目指し今月難関の音大を受験するという。
バイオリンは100万円以上。
子どもの夢をかなえてやりたいと共働きの両親がお金をためて買ってくれた。
ほんの少しでも負担を減らすため彼もできるだけ節約する。
大きな荷物を引いた人がやって来た。
何だか随分慣れた様子。
独り身の64歳。
4年前に乳がんが見つかり今も月に数回病院に通う。
治療費がかさみ貯金も乏しくなってきたからいろんなチケットを駆使して節約を心がけてるという。
決して楽とは言えないはずなのにどことなく明るいのはなぜだろう。
夕方6時。
仕事を終え家路につく人が増えてきた。
じっとチケットをにらむ女性。
迷った末1,000円の商品券を3枚。
実は最近生まれて初めて実家を出て念願の1人暮らしを始めたという。
誰にも干渉されず好きな服を着て好きな物を食べる毎日。
節約するのもぜいたくも自分で決める暮らしが今は楽しい。
店の営業は夜9時まで。
だけど金券ショップはまだ眠らない。
20メートルほど離れた所にひっそりと立つ自販機。
深夜と早朝はここでいろんなチケットを買う事ができる。
スーツ姿の男性がやって来た。
買ったのは地下鉄の割引回数券。
でも何で?浮かせたお金でまた一獲千金の夢を買う。
朝。
年が明けたばかりと思っていたらもういつもの通勤風景。
開店は朝10時。
すぐにお客さんがやって来る。
金券を売りに来た人。
この時期ビール券や商品券がよく持ち込まれる。
お祝いや挨拶で度々もらうけど持て余して現金にしてしまう人が多いらしい。
これも生活の知恵なのかな。
じっとショーケースを見つめる若い男性。
買ったのは10円割引の切符2枚。
何だか通い慣れた感じ。
実家のコンビニを手伝っている28歳。
3年前現金の入った財布を落とした事で生き方が変わった。
そこからは節約人生。
買い物は必ず割安の金券を利用し毎回きっちり家計簿もつける。
欲しい物はほとんど年始の福袋で手に入れあとは出費を抑えるそうだ。
もう1,000万円以上たまったけどまだまだ節約だという。
でも何で?夜9時。
この日も窓口業務は終了。
閉店間際にプリペイドカードをまとめ買い。
何に使うんだろ?もうすぐ還暦。
夫婦でたまにぜいたくするのが楽しみなんだとか。
若い頃無理したせいで気付けば体がボロボロだったという。
今の夫と再婚する前1人で3人の子どもを立派に育て上げた事が彼女の誇り。
失礼します。
かつては生きるため。
今はささやかな夫婦の楽しみのための節約。
格安チケットの向こうにそれぞれの幸せの形が見えてくる。
3日目。
財布を無くして節約を始めたあの若者が再びやって来た。
はいございます。
1枚と…。
節約節約の人生だけど幸せなのかな。
撮影も終盤。
印象的な一人の男性と出会った。
5年前職を失い節約が当たり前になったという。
失業してからはずっと実家の世話になってきた。
だけどそれでは駄目だと最近清掃のバイトを見つけて1人暮らしを始めた。
節約を重ねながらどこまでいけるか。
彼は自分の足で歩いていく。
2015/02/06(金) 22:55〜23:20
NHK総合1・神戸
ドキュメント72時間「金券ショップでつかむ幸せは」[字]
毎回一つの場所に3日間カメラをすえる番組。池袋地下街の金券ショップが今回の舞台。数十円を節約するため毎日絶え間なく人が訪れる店で、人とおカネの関係を考える。
詳細情報
番組内容
バブル崩壊以降、すっかり定着した節約ブーム。少しでも出費を抑えたい人々が押し寄せるのが金券ショップ。年明けの池袋、3坪程の店を訪れる人は毎日400人以上。10円を節約するため、地下鉄の回数券を買いに来る派遣社員。36円安い商品券で、デパートの外食を楽しむ女性。一方で高額な商品券をまとめ買いする外国人の姿も。人々は節約の先にどんな幸せを夢見るのか? 小さな店先で考える、人とお金の物語。
出演者
【語り】市川実日子
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
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