北アメリカ大陸の南側に位置する…日本のおよそ25倍の広さです。
まずは雄大な自然景観を楽しむアメリカ横断の旅に出ましょう。
大陸の西側に横たわる…カナダからアメリカ南部まで……に及ぶ大山脈です。
そして…ロッキー山脈を水源とするコロラド川の浸食作用でできた…アメリカの中央部に広がる大平原…バッファローやプレーリードッグなどさまざまな…トウモロコシの大生産地帯…国内総生産量のおよそ半分を占めています。
大陸の東側にはアパラチア山脈がそびえています。
総延長3,500kmに及ぶトレッキングコースが設定されていて毎年2,000人が全踏破に挑戦しているそうです。
カナダとの国境に位置する…世界三大瀑布の一つに数えられています。
今回は広大な国土に多彩な自然を持つアメリカの農業について見ていきます。
すごいですねアメリカ。
日本では見られない大規模な自然がすごかったです。
規模大きすぎて笑っちゃいます。
そうですね。
すごいんで…。
でも一回はナイアガラ行ってみたいなと思うんです。
あれはもう一度は見てみたいですよね。
世界各地を巡る旅いよいよ大西洋を渡り今回と次回の2回にわたってアメリカ合衆国がテーマです。
北アメリカ大陸の南側に加えてアラスカやハワイ諸島。
ハワイこれですね。
その他の島々から成る国ですね。
そんなアメリカのですね農業に今回は注目したいと思います。
実はですねこんなものを用意しました。
表彰台ですか?はい。
アメリカはさまざまな農作物の生産量で世界の第3位までに入っているんです。
どんなものが入ってると思いますか?お肉は入ってるんじゃないですか?そうですまずは牛肉と鶏肉が1位です。
そして豚肉が第2位。
それとですねチーズと牛乳もなんと1位なんですね。
すごいですね。
まだまだありますよ。
ほかはまあトウモロコシとか?はいトウモロコシだけではなくなんと大豆も第1位です。
え〜大豆も?はい。
あとはカリフォルニアといえば?オレンジとかだから果物。
オレンジとグレープフルーツが2位。
そしてブドウが第3位です。
ブドウも?そのほかにも野菜でタマネギやトマトも第3位に入っています。
次々出てきましたね。
そうなんですよ。
たくさんあるんですけれどもこれらはほんの一部なんですよ。
よく調べましたね。
山ちゃんも表彰したいぐらいですよ。
ありがとうございます。
まだまだ続きがありますよ。
こちらをご覧下さい。
トリプルGが…アメリカは農作物の生産量が多いだけでなく輸出量も断トツの世界一!日本にも多くの農作物が入ってきています。
という事で…私は今横浜港に来ています。
(山田)
向かった先は…
税関は輸出や輸入が正しく行われているかどうかをチェックする国の機関です。
当然どの国からどんなものがどのくらい入ってくるのかも把握しています
アメリカから入ってくる農作物にはどんなものがあるんですか?お肉なんかだと牛肉それから豚肉なんかが入ってますね。
それから穀物類で言うと小麦粉あとトウモロコシそれとか大豆なんかになります。
あとはフルーツなんかだとオレンジグレープフルーツなんかよく入ってきてます。
つまり生産量の多いものは大抵輸出品にもなっているという事ですよね。
でもちょっと待って。
トウモロコシってそんなに食べてるかな?
大体645万トン。
645万トン!?日本人の人口で単純に割ったとして…一人あたり50キロ!?
ちなみに1年間の…
そんなに変わらない事になります
絶対そんなに食べてない!
じゃあ輸入したトウモロコシは一体誰が食べているのか。
答えはこちらの工場にありました。
この大きな貯蔵庫いっぱいにトウモロコシが詰まっています。
そして大豆や小麦などさまざまな材料と混ぜ合わせて飼料…つまり牛や豚の餌にしているんです
なるほど。
ところで牛や豚ってトウモロコシが好きだったの?
という訳で私は更に栃木県大田原市にある牧場へ。
トウモロコシ入りの餌食べてる食べてる
(山田)トウモロコシを何で牛にあげるんですか?エネルギー源になるので早く牛が成長します。
早く育つのでそれだけお肉に安く仕上げる事ができます。
安くできるんですね。
(齋藤)あとは稲わらだけあげてる時よりも肉が軟らかくなります。
こちらの牧場には直営のミートショップがあって新鮮なお肉を買う事ができます。
赤身が多くて癖がなくさっぱりとした味が売りなんだとか。
更に併設されているカフェーでは自慢の牛肉を使ったさまざまなメニューが楽しめちゃうんです
頂きます。
う〜ん軟らかい。
噛めば噛むほどにうまみが感じられます。
このおいしいお肉はアメリカ産のトウモロコシのおかげですね。
トウモロコシなんですけれども日本が輸入量世界第1位なんだそうです。
あとですね…1キロ作るのに?そんなに大量に?結構必要ですよね。
我々も気付かないうちにお世話になってるもんですね。
そんなアメリカの農業について専門家の方にお伺いしましょう。
矢ケ崎典隆先生です。
お願い致します。
アメリカの農業の特徴といえばどんな事がありますか?そうですね大きな特徴は3つあります。
1つは自然環境が非常に多様です。
ですから農作物もですねそれぞれの自然に対応していろんな農作物が作られているんですね。
なるほど。
ちょっと詳しく見たいですね。
この地図はアメリカの本土を拡大したものですね。
ケッペンの気候区分ですね。
よく覚えてましたね。
つまり多様な自然を生み出す要因である気候と絡めて見ていこうという事ですよね。
そうですね。
では先生お願いします。
まず山ちゃんが調べてきたトウモロコシですね。
トウモロコシっていいますのは気温が高くて降水量が非常にたくさん必要なんですね。
気温が高くて降水量がってなると…。
温暖湿潤気候?あっあの黄緑の?この辺り。
中央部ですね。
あと大豆が非常に重要な作物になっています。
そしてこのトウモロコシを飼料にして牛とか豚をですね飼育するんですね。
ですから…ここに牛と豚も並べてみましょう。
飼料作物と家畜を飼育する。
これが…やっぱり気候が変わってくると作る農作物も変わってきますか?そうですね。
西の方に行きますと乾燥していきますね。
ステップ気候です。
ここではもうトウモロコシは栽培できないんですね。
雨が少ないので。
ですから小麦を栽培します。
ちょっと置いて頂けますか?じゃあこのステップ気候の所で小麦が作られると。
更に西の方に行きますと地中海性気候。
そこではですね…置いて頂けます?オレンジナッツいろいろなものが作られます。
それからですね北の方に行くと亜寒帯地域。
ここではですね穀物の栽培がなかなか難しいので酪農業が盛んになってきます。
ですから北の方ですね。
大体こうですね。
牛乳チーズ。
こうやって見るとね気候の違いによってその土地に合ったものをうまく生産してるって事がよく分かりますね。
それから…合理的…。
合理的な農業。
一つの例としてコーンベルトの様子を見ていきましょう。
家族を単位として家族農場で行われています。
農家が点在している様子が分かりますね。
で土地が広いもんですから…そして人口が少ないと。
そのためにですね資本と技術を使ってそれで農業を行っているんですね。
栽培されてるのはトウモロコシです。
大型のコンバインで収穫してる様子です。
コンバインすごく大きいですね。
日本にはないですねああいう機械はね。
それでですね最近の農業の合理化ってのは非常に進んでいるんですね。
例えば農場でGPSっていうのを使ってですね農場のここではこれくらい収穫があるな。
それからここは収穫量が少ないな。
それを1枚の地図にして作るんですね。
そういう事によってですね収量の低い所には肥料を与えて。
そんなふうにしてIT技術を使ってそういう農業が行われてるんですね。
アメリカは確かにITの分野も進んでるんでそういうの農業にも効果的に取り入れてるんですね。
確かに。
合理化を進めて大量の農作物を安く作って輸出してるって事が分かりますね。
もう一つですねアメリカの農業の特徴3つ目。
アメリカでは大量の農作物が作られています。
国内消費を大幅に上回りますね。
ですからそれがですね商品として輸出されてる訳ですね。
そのような農作物の輸出に関わっているのが穀物メジャーと呼ばれる非常に大きな会社巨大な穀物商社なんですね。
穀物メジャー?どういう企業なのか見てみましょう。
ルイジアナ州南部の都市ニューオーリンズ。
ジャズ発祥の地として知られています。
ミシシッピ川の下流に位置しメキシコ湾に通じるニューオーリンズ港はアメリカ最大のいや世界最大の穀物輸出港です。
そのニューオーリンズに巨大な倉庫を構える穀物商社。
これらを総称して…穀物メジャーはアメリカの圧倒的な農業生産力を背景に世界の穀物取り引きの主導権を握りばく大な富を生み出しています。
一方で穀物を大量に保管しいつでもどこにでも送り届ける事ができるため需要と供給のバランスを調整する働きもあります。
そうする事によって各国の食糧事情の安定化にも一役買っているのです。
穀物メジャーは新たな販売先の開拓にも余念がありません。
巨大市場として注目しているのが経済成長が著しく13億の人口を抱える中国です。
中国の都市部ではステーキハウスをよく目にするようになりました。
…にも増えたといいます。
肉の消費が増えれば餌となるトウモロコシの消費も増えます。
それを狙って肉を多く食べる西洋式の食事の普及を図ってきたのです。
中国経済が成長を続け肉や卵牛乳の消費がもっと増えれば大量の穀物が必要になります。
それを私たちアメリカが満たすのです。
しかし世界の食がアメリカ頼みになる事は大きなリスクも伴います。
それが現実化したのは2008年の事でした。
穀物の取り引きが投資の対象となり相場価格の急激な上昇を招いたのです。
穀物の価格上昇は世界で貧しい人々から食事を奪っていきました。
エジプトでは餌となるトウモロコシの値上がりで鶏肉の値段が1年前の2倍。
卵は実に3倍まで跳ね上がったのです。
市民は政府が価格を抑えて販売するパン売り場に殺到しました。
これでは全然足りません。
家族が多いから大変なんです。
8人の子供を持つソメイアさん。
それまでは夫の収入で週に2回は肉を食べる事ができました。
しかし肉の値上がりでおかずは毎日フライドポテトや僅かな野菜だけ。
去年まではここに卵が並んでたんですよ。
けど今はとても買えません。
穀物メジャーが多くの穀物を管理してるんですね。
ねえ何か複雑でしたよね。
それに対して投資が殺到してその事で価格が跳ね上がって末端まで行き届かない。
これ難しい話ですよ。
そうですね。
ねえ先生。
中国の例を見ていて思ったんですけれども日本で戦後パン食肉食が広がったのもこうした動きと無関係ではないって事ですかね。
そうですね。
日本もですねアメリカの食糧戦略のターゲットになったと思いますね。
というのはパンを食べると。
そうすると米の消費量が減ってくるんですね。
そして肉を食べると。
そのおかげで日本人の食生活随分変わってしまいました。
これは我々が何か楽しんで食べてるようで意外としてやられてたのかもしれないという。
実は計画どおりに…。
ねえ。
ただパンおいしいからね。
おいしいです。
お肉もおいしいんですよねやっぱり。
だから悪い事でもないというかね。
アメリカの農業について知る事は僕らの食生活について知る事につながってるっていう事ですか?そうですね非常に重要ですね。
最近でいえばですね…これが議論されていますけれども食料の自由化っていうのがですね非常に大きな課題になっています。
ですから今後日本の農業をどういうふうにしていくのか。
これあの〜私たちねふだんから議論する必要がありますね。
そのためにはアメリカの農業って非常にいい材料になると思います。
アメリカを知る事でより日本を考える事ができるという事ですね。
はい。
さあ次回は移民の国ともいわれるアメリカの多民族社会について見ていきたいと思います。
先生次回もお願いします。
という事でこれからも世界中のあんな事…。
こんな事…。
(2人)いっぱい知っちゃおう!多様な自然環境は農業にも影響します。
地域によってその気候に合った農作物が作られます。
広い農地を少ない人手で耕作するため合理化が進められています。
こうして作られた…2015/02/06(金) 14:40〜15:00
NHKEテレ1大阪
NHK高校講座 地理「ここに注目!アメリカ」(1)[字]
人・モノ・情報が地球規模で行き交う現代。国や地域を越え、多様な社会や文化を理解し合うことが不可欠。“世界の今”を読み解く「地理」は、未来を切り開く力となる。
詳細情報
番組内容
それぞれの国や地域ごとに掘り下げて現代世界を考察する。自然環境や民族、文化、産業、経済など、さまざまな視点で学ぼう! 「ここに注目!アメリカ(1)〜自然と農業〜」(1)広大な国土と多様な自然 (2)農業と農業地域の形成 (3)アグリビジネスの成長
出演者
【講師】日本大学教授…矢ヶ崎典隆,【出演】中田敦彦,山田彩,【語り】安元洋貴
ジャンル :
趣味/教育 – 中学生・高校生
バラエティ – その他
趣味/教育 – 大学生・受験
映像 : 480i(525i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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