古畑任三郎 #10 2015.02.05


いました。
身元が分かっておらず、警察は情報提供を呼びかけています。
(古畑)えー皆さんの前に登場してはや5年。
これまで様々な犯人と出会ってきました。
えー発作的にしろ計画的にしろ彼らには犯罪を犯すだけの理由がありました。
今回登場する犯人はそういった意味では最も危険なタイプの犯人といえるかもしれません。
んーすなわち犯罪をゲームとしてしか考えていない人物。
手ごわそうです。

(テーマ音楽)・
(ミュージシャンの演奏)
(牟田)はぁーっ。
はぁ…。
(銃声)
(牟田)うっ…。
(東国原)今泉さん。
(今泉)ん?証人が見つかりました。
向こうでギターを弾いてたストリートミュージシャンが「犯人らしき人物を見た」と言うんです。
じゃあ署に同行してもらって似顔絵を作成して。
分かりました。
東国原君。
はい。
正直いってどう思う?何がでしょう?この事件ただの通り魔かな?いい線かもしれませんね。
なんか底が浅そうな感じがする。
アッハハハハ。
東国原君さあ。
はい。
僕も古畑さんみたいに知能犯の完全犯罪を解決してみたいよ。
はあ…。
できないことないと思うんだ。
あは…。
(今泉)黙って行くなよ!励ますとかなんかあるだろ。
(浅香)殺すことなかったのに。
(山本)裏切り者は消す。
殺すことなかったのに。
(日下)もういい。
それより問題は鞄だ。
(大和田)そうだよ。
どうすんだよ?
(江田)申し訳ない。
「電車の中」っていうのは確かなんだな?
(江田)ああ。
なんで持ってこないのかな?
(江田)追いかけるのに気持ちがいってて。
(日下)電車の中の忘れ物はどこ行くんだ?確かどっかの駅にそういう遺失物集めて保管してる場所があるんだ。
あした行って調べてくる。
(江田)悪い。
(大和田)バ〜カ。
(刑事)今泉さん!これ例の通り魔殺人。
犯人の似顔絵。
あっ。
できた?
(係員)昨夜ですね?はい。
あのこれぐらいの大きさのボストンバッグなんです。
(係員)ああ。
ただ今お調べしますのでじゃあこちらに住所と名前を書いてください。
(係員)こちらですか?ああ。
それですそれです。
どうもすいませんでした。
それでは申し訳ありませんが確認のためにですね中身を説明してもらえますか?えっ?中身…ですか?はい。
それでここで開けてですねあなたのおっしゃる物が入っていればお返ししますので。
ああ…。
(係員)「あなたの物だ」という証明がないとお渡しできない規則なんですよ。
あの…正確に言いますとこの鞄は僕のじゃないんです。
あの…知り合いに頼まれて。
ですから…な…中身までは。
分かりました。
それではその知り合いの方に連絡を取ってみてください。
どうぞお使いください。
ああ…。
(大和田)それで帰ってきちゃったの?
(浅香)だってああ言われたらどうしようもないじゃないか!
(山本)僕だったら強引にかっさらってくる。
(浅香)そりゃああんたなら。
(大和田)どうする?そこにはいつまで保管されてんだ?今週いっぱいらしいんだ。
でそのあとは「警視庁の遺失物センター」に回されるらしい。
やばいじゃん。
でもちょっと見は普通のボストンバッグだから中までは調べることはないと思うんだ。
(山本)いや。
そうとも限らない。
あの鞄にはそれが付いてる。
(大和田)そうだよ。
あいつ鞄の取っ手のところにこのキーホルダー付けてたよ。
(浅香)そうだっけ?
(日下)うん。
(大和田)まずいじゃん。
公安の連中に見つかったらアウトだよ。
やつらのことだから中を開けて念入りに調べるに決まってるよ。
そしたらおれたちおしまいだよ。
活動なんかできないよ。
もう一回行って係員に話つけてくる。
(日下)行かないほうがいい。
いや。
行かせてくれ。
一度逃げ帰ってるだけに逆に怪しまれるのがオチだ。
(大和田)最悪だよ。
申し訳ない。
こんなんでおれら捕まるわけ?冗談じゃないよ。
こんなノベルティーグッズ作るからだよ。
手はひとつしかないな。
どうする?決まってんだろ。
鞄を取り戻す。
だけどどうやって?警察に移される前にやるしかない。
駅の管理センターに保管されている間が勝負だ。
(大和田)どうやって取り戻します?
(ボールペンをノックする音)・・
(武藤田)はい。
コントロールルーム。
ん?なんだって?分かった。
すぐに行く。
(住職)何してる!?うっ!やめとけ!縛りつけろ。
あの辺だな。
(日下)うん。
(大和田)じゃあここ全部取っ払って。
モニターこっち。
(大和田)キーボードもこっち。
そろそろお願いします。
どういうことなんだ?
(小島)いやぁ「とにかく責任者に会わせろ」ってうるさいんです。
その客は何が気に入らないんだ?乗務員に注意されたらしいんですがそのときの態度が気に障ったらしくて。
まったく最近の若造はちょっと注意するとすぐにヘソを曲げる。
なんて言うんだ?そういうの。
「逆ギレ」ですか?それだ。
そういうやつはなガツンと言ってやんなきゃダメなんだ。
それが若造じゃないんです。
ああ?だからわたしが言ってんのはそういうことじゃ…。
分からないかな。
(武藤田)何度も申し上げているとおりうちは車内での携帯の使用はご遠慮いただいているんです。
だからそれは分かってるんですよ。
ただ…よろしいですか?わたしの場合はねよろしいですか家の留守番電話を聞いていただけなんです。
つまりひと言もしゃべってないんですよ。
ボタン押していただけなんですよ。
よろしいですか。
ほかの人に一切迷惑は掛けてないんです。
以上です。
ごもっともですがうちの決まりですから。
「決まり」ってだから…。
(武藤田)うちの鉄道では携帯の使用はご遠慮いただいてるんです。
いいかげんに分かってください。
そういうね杓子定規なところが気に入らないんだ。
本当に分からないな。
もう一回言います。
よろしいですか?私はねひと言もしゃべってないんです。
どうして怒られなきゃならないんですか?だけど紛らわしいじゃないか!「紛らわしい」ってそういうこと言われ…。
・ああ。
ああどうも。
西園寺君?ちょっと。
うん…。
今どこ?もういいから帰ってもらいなさい。
しかし。
これ以上話してても埒があかない。
局長。
ちょっとよろしいですか。
どうした?警視庁の公安部の方がお見えになってます。
局長にお話があるそうで。
なんだ?こっちはどうします?任せる。
いやおとなしく引き下がるかどうか。
何か手土産でも持たせてやりなさい。
(小島)分かりました。
(武藤田)「公安」が?なんでまた?
(神保)さあ。
(西園寺)古畑さん。
お待たせしました。
(神保)警視庁公安部の浅香さんです。
浅香です。
何もらったんですか?うん?時計じゃないですか?「時計」?うーんだとしたらなんかかえって申し訳ないねぇ。
時計ですよ。
鉄道だけに時間にはうるさいから。
きっとそうですよ。
ああそうかぁ。
なんだ時計…。
別にねぇそこまでしてくんなくてもいいのにねぇ。
いや本当だよ。
わたしねこんなモノ欲しくて文句言ってたわけじゃないんだから。
分かります。
へぇそう。
こんなことで時計。
サブレーだよ。
サブレーだよ。
「サルサブレー」!ああ。
サブレーはここの名産ですから。
名産だか何だか知らないけどサブレーだよ。
バカにしやがって。
でも高級品ですよ。
返してこよう。
よしましょうよ。
人をなんだと思ってんだろね。
・失礼します。
サブレーだよ。
はい西園寺です。
あっ今泉さん。
ねえ。
古畑さん知らない?今日さ「一緒にご飯食べよう」って言ってたんだけど。
古畑さんならここにいますよ。

(今泉)ねえ。
なんで君と一緒にいるわけ?呼ばれたんですよ。
今どこなのよ?僕も行くよ。
えっ?あっ古畑さん…。
またあとでかけてもらえますか。
すいません。
それはいつのことですか?電話があったのは今日の夕方の5時のことです。
うちの会社を名指しで?はい。
「下りの最終電車をハイジャックする」と。
男の声でした。
しかし考えられませんな。
確かに。
まぁ単なるいたずらだとは思うんですが。
電車を乗っ取るなんて聞いたことがない。
まともな人間の考えることじゃありませんよ。
(武藤田)ここがコントロールルームです。
信号機ポイント行き先案内表示板すべてをコンピューターで自動制御しています。
なるほど。
(武藤田)何かトラブルが起これば即座にここで対応できるようになっております。
たいしたもんですな。
あそこのランプ。
(浅香)ええ。
(武藤田)あれが下りの最終電車705Eです。
ご覧のとおり順調に走っております。
何から行きます?まずは携帯電話をシャットアウトだ。
(大和田)了解。
もしも運転室が乗っ取られ勝手に暴走し始めたらどういうことになりますか?あり得ませんね。
「あり得ない」とは?当社では全線全車両にATCが設置されています。
いわゆる自動列車制御装置です。
電車が制限速度を超えて信号機を通過したり赤信号を無視した場合には自動的にブレーキがかかるようになっています。
なるほど。
(神保)だいたい飛行機じゃないんですから電車をハイジャックしても犯人逃げようがない。
どのみち電車はこの線路の上しか走れませんからね。
確かに。
君。
ここは関係者以外立ち入り禁止だよ。
あのー局長さんにお話が。
また君か!?
(古畑)はい。
(アナウンス)「おかけになった電話は電波の届かない場所にあるか…」次は?電話の傍受。
電話傍受オーケー。
始めようか。
やつら驚くぞ。
実はこれをお返しに。
いいから持っていきなさい。
頂けませんこんな高級なサブレー。
まぁ開けちゃってから言うのも何なんですけどもね。
せめてもの気持ちです。
お客さまを傷つけてしまった。
頂けません。
ですから。
わたしは…よろしいですか?こういうものをね頂くために抗議をしていたわけではないんです。
お返しします。
(武藤田)いいやいいから。
(古畑)お返しします。
(坂倉)えっ!?じ…神保さん。
(神保)どうした?あの…下り最終が停車しました。
しかも駅の中間です。
(神保)局長。
どの辺りだ?あの辺り畑のはずです。
何が起こったんだ?
(武藤田)インター。
(坂倉)あっはい。
(武藤田)705E答えなさい。
一体何があったんだ?
(武藤田)705E答えなさい。
何があったんだ?705E!
(武藤田)705E応答しなさい!こちら705E。
管理センター応答せよ。
(日下)こちら705E。
管理センター応答せよ。
(坂倉)つながった…。
どうした?どうして止まった?
(日下)いいか?よく聞け。
我々は予告どおり下り最終電車705Eを乗っ取った。
なんだって!?
(日下)もう一度繰り返す。
我々は予告どおり下り最終電車705Eを乗っ取った。
君はだれだ?
(日下)間の抜けた質問だが答える。
ハイジャッカーだ。
現在我々の手には34人の乗客と2人の乗務員の命が握られている。
くれぐれも忘れないように。
気は確かか!?ああ?電車を乗っ取るなんて正気の沙汰じゃない!
(日下)人のやらないことをやる。
これがビジネスの第一条件だ。
これより我々の要求を伝える。
一度しか言わないので書き留めておくように。
書くものを。
(坂倉)はい。
(古畑)あの…。
録音できないんですか?
(武藤田)ああ。
録音だ。
(坂倉)はい。
(日下)用意はいいか?どうぞ。
これより我々はノンストップで終着駅へ向かう。
すべてのATCを解除してもらいたい。
(ボールペンのノック音)
(日下)もし途中ATCが作動して電車に急ブレーキがかかった場合即座に人質は射殺する。
待ってくれ!すべてのATCを解除するのにどのぐらいの時間がかかると思ってるんだ!?我々が人質の命と引き換えに要求する額は1,000万だ。
(武藤田)この時間に1,000万なんて無茶だ!
(日下)そんなことはない。
すべての駅から今日の売り上げ金がそこの地下金庫に集められてるはずだ。
金が揃ったら連絡しろ。
次の指示はそのときだ。
バレてないか?疑う理由がどこにある?信じられん。
こんなことがあっていいのか!?前代未聞だ。
どうしてうちの電車なんだ?やつらは終点からどうやって逃げ出すつもりなんでしょう?逃げられるわけがない。
(武藤田)頭がどうかしてるんだ!どう思われます?1,000万という額は身代金としては少なくありませんか?
(坂倉)な…705Eが動き始めました!
(神保)局長!?
(武藤田)大至急すべてのATCを解除しろ!
(坂倉)よろしいんですか?
(武藤田)人質の命が優先だ。
(坂倉)705Eは時速80キロで進んでいます。
(浅香)このぶんですと終着駅に着くのは何分後ですか?
(坂倉)40分後ですね。
(浅香)0時48分。
間に合わん。
(古畑)あのー売り上げ金が地下金庫にあるというのは本当ですか?
(武藤田)ええ。
うーん…。
(神保)あんた!はい?ここで何やってるんだ!出てって!
(西園寺)我々は警察の人間です。
こちらは警視庁の古畑警部補。
警察の方…。
刑事さん…。
(武藤田)ご存じでした?あっいえ。
警視庁といっても何百人も職員がおりますから。
こちらは?
(武藤田)公安部の浅香さんです。
あー公安の方。
浅香です。
(古畑)あの古畑と申します。
(神保)確かに地下には売り上げ金が集まってきてます。
しかしまだこう駅ごとに袋に詰まった状態で1,000万あるかどうかも定かでは…。
(武藤田)今は人質の命が最優先だ。
とにかく数えるんだ。
(神保)分かりました。
(武藤田)急げ!あっはい。
あのー予告があったんですか?そうです。
ハイジャックの?ええ。
えー「今夜最終電車を乗っ取る」と?そうです。
(古畑)そうですか。
(浅香)とりあえず本部のほうに連絡を入れときます。
(武藤田)お願いします。
(浅香)電話借ります。
(武藤田)どうぞ。
どうして予告なんかしたんでしょうね。
わたしに聞かれても…。
いや。
そんなハイジャック聞いたことない。
聞いたことある?ありません。
ないね。
どうして予告なんか…。
・まずいことになった。
どうしてだか知らないけどここに刑事がいるんだよ!慌てるな。
すべては順調に行ってる。
でもこ…このあとどうするの?あっ。
そういうわけで大至急応援をお願いします。
ええ。
ええ。
それまでこちらは刑事さんと二人で…。
あっあの私古畑と申します。
古畑さんです。
はい。
どうぞよろしくお願いします。
(古畑)ウフフフ。
(浅香)終着駅に機動隊を出動させました。
(坂倉)局長!今のままのスピードで行くと705Eはあと…あと3分で先発の813Eに追いついてしまいます!すぐに次の駅に連絡を取って813Eを引き込み線に退避させろ!
(坂倉)はい。
電話傍受。
手はずは分かってるな。
(大和田)当然。
インターセプト開始。
インターセプト開始。
・はい。
こやなぎ駅。
なんですって!?はあー。
はあっ。
回避しました。
(大和田)ちょっと遊びすぎ?
(神保)全部で891万6,100円。
あと108万3,900円足りません。
人質の命が最優先だ。
3,900円はおれが出そう。
あと108万か…。
それぐらいまけてはもらえないでしょうか?交渉次第だな。
(古畑)あのーそれって全部小銭ですか?何を言ってるんだ!?もちろん1,000円札も交ざってますが大半は小銭です。
うーん。
しかし「1,000万円分の小銭」ってずいぶん量があるんじゃないですか?
(神保)すごいですよ。
ねえ。
犯人だってそんなものもらっても困るんじゃないかな?
(神保)知りませんよ。
そんなこと言われても。
しかし小銭の身代金なんて聞いたことないな。
ある?初耳です。
(古畑)ねえ。
犯人もそこまで考えてなかったんじゃ…?
(古畑)いやそれはないでしょう。
これだけ綿密な計画を立ててんです。
犯人だって分かっていたはずですよ。
鉄道の売り上げ金を狙うからには当然身代金は小銭で支払われる。
とどのつまり君は何を言いたいんだ?つまりですね何か訳があるんですよ。
小銭でなければならない訳…。
何だろうなぁ?・・
(浅香)まずい感じになってきてる。
どうした?例の刑事妙に鋭いんだ。
なんか嫌な予感がする。
このあと僕ひとりじゃ自信がない。
ダメだ。
何弱気になってるんだ。
言われたとおりにやってればいいんだから。

(武藤田)705E応答しなさい。
切るぞ。
(武藤田)705E応答しなさい!
(電車の走行音)こちら705E。
どうした?金は揃った。
だが問題が生じた。
若干1,000万に足りないんだ。
(日下)1,000万と言ったはずだ。
だがおれのポケットマネーを加えてもあと108万円足りないんだ。
ウイークデーは電車は込むがほとんどが定期券を使ってるんで現金は少ないんだ。
分かってくれ。
頼む。
どうかそれで手を打ってもらえないだろうか?頼む!
(日下)いいだろう。
それでは次の指示を出す。
その金を大きめな鞄に詰める。
待ってくれ!そんなでかい鞄があるわけないじゃないか!
(日下)分けて入れるんだ。
いくつかの鞄に。
今からどうやって手に入れるんだ!?無理だ!
(日下)それはそっちの都合だ。
できたら連絡しろ。
(武藤田)頼む。
はい。
(浅香)こんなことして逃げ切れると思ってるのか!?
(日下)ご心配どうもありがとう。
(古畑)ちょっと待って。
もしもし?もしもし?だれだ?
(古畑)あーどうも。
初めまして。
あの警視庁の古畑と申します。
あのSMAPの事件解決したのわたしなんですよ。
無駄話してる時間があるのか?
(古畑)あっすいません。
あの皆さん今鞄探しに行かれました。
ひとつ伺わせてください。
ずっと気になってたんです。
今ですねえだれが運転してるんですか?
(日下)運転手だ。
運転手さん。
そうですよね。
一般の方じゃ電車の運転できませんよね。
難しくて。
えーテレビゲームとは違うんだから。
あれ何でしたっけ?えー「電車でGO」でしたっけ?
(日下)切るぞ。
ちょっと待ってください!あのー運転手さんと代わってもらえませんか?あの声聞くだけです。
あの無事かどうか確かめたくって…。
今手が離せないそうだ。
手が離せない。
そりゃ残念だな。
じゃあとひとつだけ。
えーとですねえ犯行を予告したのには何か意味があったんでしょうか。
だって普通で…。
切れちゃった…。
(ボールペンのノック音)向こうに行ってくる。
(神保)こっちにとりあえず。
(職員)はい!
(神保)こっち。
(職員)はい。
(古畑)何?
(西園寺)売り上げ金です。
ふ〜ん。
あんなにあるんだ。
何しろ10円玉と100円玉がほとんどですからね。
1,000万は身代金としては少ないですが小銭としては多すぎます。
犯人の意図が分かりません。
ごめんなさい。
もう一回お願いできる?はい。
(テープ)「これより我々はノンストップで終着駅へ向かう」止めて。
何か気にならない?はあすいません。
何か後ろのほうでカチャカチャ音聞こえなかった?はあ…。
今んとこもう一回。
(テープ)「これより我々はノンストップで終着駅…
(物音)」ほらここ。
確かに聞こえますね。
(テープ)「すべてのATCを解除して…」止めて。
なんの音だろうねえ…。
運転席ですからねえ。
運転に関係する何かじゃないですか?う〜ん。
しかしこの時点ではまだ電車は止まってたんだよ。
(西園寺)そうか…。
気になるねえこの音。
(日下)そのままで結構。
(浅香)ご苦労さまです。
責任者は?わたしです。
警視庁公安部の日下です。
よろしくお願いします。
ずいぶん早いねえ。
(日下)現在の状況は?
(浅香)はあ。
今は犯人の指示に従って金の入る大きめの鞄を集めています。
間に合いそうか?どうですか?
(神保)今職員を総動員して探してます。
とにかく人質の安全確保が最優先です。
まずは彼らの言うとおりに動くしかない。
本当の勝負は人質が解放されてからです。
(武藤田)同感です。
ああそうだ。
日下さん。
捜査一課の古畑さんです。
(古畑)え〜。
古畑と申します。
日下です。
今日はどうしてこちらに?え〜ちょっとやぼ用で。
ああそれで思い出した。
局長さん。
高級サブレーやっぱりお返しします。
もうその話は。
やめましょうか。
分かりました。
フフフフ…。
(神保)今手に入る鞄はこれが精一杯です。
(武藤田)3つか。
とても入り切らないな。
ほかに鞄はないんですか?
(神保)買いに行こうにもこんな時間じゃ開いてる店なんかどこにもありません。
仕方がない。
紙袋で我慢してもらおう。
君紙袋を用意して。
待ってください。
ここは犯人の要求に従うべきです。
しかしないものは。
人質の命がかかってるのが分からないんですか?犯人が「鞄を用意しろ」と言ったからには我々はなんとしてでも鞄を用意するしかないんです。
(神保)そう言われましても。
もうひとつぐらいなんとかならんのか。
(神保)あとは…そうだ。
ん?
(神保)局長。
あそこがありますよ。
遺失物保管室。
その手があったな。
どういうことですか?
(武藤田)1階にお客さまの忘れ物を保管しておく場所があるんです。
ひょっとすると手ごろな大きさの鞄が見つかるかもしれない。
急いで探して来なさい。
(神保)分かりました。
君たちはその金を鞄に詰めなさい。
ずいぶん早かったですねえ。
こちらに来られるの。
たまたま近くにいたもんですから。
ふ〜ん。
古畑さんでしたね?はいそうです。
思い出しましたよ。
確かSMAPの事件解決されたのあなたじゃないですか。
よくご存じで。
署内では有名ですよ。
そうですか。
ハハハハハ。
今回の事件どう思われますか?不可解ですね。
なるほど。
例えば?例えば。
いちばん不思議なのはそもそもなぜ電車をジャックする必要があったのか。
絶対にうまく行くわけないんですよ。
終点に着けばもう逃げられない。
え〜メリットは何ひとつない。
僕も行き当たりばったりの犯罪にはとても思えない。
そうなんですよ。
彼らには彼らの計画があるはずなんです。
僕もそう思う。
まあいずれ分かるときがきますよ。
う〜ん。
同感です。
(神保)よし。
ありました。
(日下)この鞄は?1週間前に車内に置き忘れられていたものです。
(武藤田)落とし主は現れなかったのか?それが担当の人間に聞いたんですが一度落とし主らしい人物が現れたそうなんですが「この中身の照合をしてくれ」と言うと「慌てて帰ってしまった」って言うんです。
(武藤田)なんだそりゃ。
(日下)とにかく緊急事態です。
持ち主には申し訳ないが使わせてもらいましょう。
(武藤田)そうしましょう。
中身を出してくれ。
(神保)はい。
すいません。
これはなんのマークですか?これだれか知ってる人?変わったマークですね。
だれか知りませんか?このマーク。
あ〜あとにしてもらえませんか?「あとに」?分かりました。
これで全部です。
これに残りの金を詰めて。
(坂倉)局長!
(武藤田)どうした?まもなく705Eがこの駅を通過します!
(神保)見に行きますか?いたずらに犯人を刺激するだけです。
こちらで待機を。
西園寺君。
(西園寺)はい。
(西園寺)分かりました。
待ってください!どこへ行くんですか?え〜ホームへ様子を見に。
その必要はないと今言ったじゃないですか。
(古畑)大丈夫ですよ。
ほら。
彼こんな小さいから。
ホームで飛び上がっても気づかれません。
行ってらっしゃい。
(西園寺)はい。

(浅香)山本さん。
あんたはここに残って。
わたしが行きます。
705E応答せよ。
(大和田)こちら705E。
(武藤田)金は用意できた。
あとはどうすればいい?
(大和田)鞄の数は?4つだ。
(大和田)それでは今から言うとおりにしてください。
ちょっと待った。
さっきの男と声が違う。
どうでもいいだろう!そんなことは。
気になるんですよねこういうの。
ほかに仲間がいてもおかしくない。
単独犯だと思ったんですか?何か…もめてるのか?こういった場合交渉の窓口はひとりの人間がやるのが普通です。
途中で交代するのは不自然です。
さっきの男どこへ行ったか聞いてみてください。
さっきの男はどうした?さっきの男は疲れたんで先に眠ってます。
寝てるそうだ。
次の指示を頼む。

(今泉)西園寺君。
会えてよかった。
こんな所で何をしてるんです?君らに会いに来たんじゃないか。
ひどいよ。
僕ばっかりのけ者にして。
どうやってここに?ぎりぎり最終電車に間に合ったよ。
「最終」?危ないとこだった。
最終の下り?「下り」ってどっちが下り?都会から来るほうが下りですよ。
じゃあ下り。
最終のはずないですよ。
ひとつ前じゃないんですか?そんなことないよ。
「最終」ってアナウンスしてたもん。
だけど…。
(駅員)早く出てください。
もう改札閉めますよ。
どういうことだ?これは一体?そうか!乗っ取られたのは電車じゃない。
僕らのほうだったんだ。
(大和田)これから4人の人間に4つの鞄を4台の車で指定された4つの場所に運んでもらいます。
場所は今からお伝えします。
我々はあと15分で終着駅へ到着します。
それまでに君たちは所定の場所へ金を持ってくること。
(大和田)我々が駅に到着した時点で金が届いていなかった場合は1分遅れるごとに人質をひとりずつ殺す。
無理だ。
(ボールペンのノック音)
(ボールペンのノック音)
(山手英介)ステージだろうがちゅう房だろうが俺は俺はあいつらと一緒にやりてぇんだよ。
2015/02/05(木) 14:57〜15:53
関西テレビ1
古畑任三郎 #10[再][字]

「最も危険なゲーム・前編」

詳細情報
番組内容
 ボストンバッグを抱え、逃げ回る牟田(小原雅人)。牟田は、車内にバッグを置き忘れたまま、電車を飛び出し、迫る男に射殺された。事件は通り魔の犯行と片付けられそうな気配。一方、牟田を追っていた「SAZ」のメンバーは、牟田が持っていたバッグが電車に置き去りにされたことに頭を抱えていた。リーダー・日下光司(江口洋介)は、遺失物センターに眠るバッグを取り戻す秘策に思い当たった。
 駅の管理センターにやって
番組内容2
来たSAZメンバーの一人・浅香(斎藤洋介)は、警視庁公安部と称し、「電車ジャック」の予告があったと告げる。電車が乗っ取られることなど無いと言う職員の前で、路線表示板の最終列車705M列車が停止する。すかさず、「電車を乗っ取った。5000万円用意しろ」と日下の声で無線が返ってきた。日下たちメンバーは、近くの寺に設置したコンピューターを操作し、駅の管理センターの通信回線をコントロールしているのだった。
番組内容3
 が、管理センターには、偶然、古畑(田村正和)と西園寺(石井正則)が居合わせた。「なぜ予告したのか」「終点でつかまると分かっている電車をなぜジャックするのか」「重い小銭しかない電車の売り上げをなぜ狙ったのか」……。不可解な犯罪。そこに、ジャックされているはずの最終列車で今泉(西村雅彦)がやって来る。「ジャックされたのは我々だ」。気付く西園寺の前にSAZメンバーが立ちふさがる。3人の運命は……。
出演者
田村正和 
江口洋介 
西村雅彦 
石井正則 
小林隆 
山崎一 
斎藤洋介 
水道橋博士 
杉崎浩一 
小原雅人ほか
原作・脚本
【脚本】
三谷幸喜
監督・演出
【企画】
石原隆 

【プロデューサー】
関口静夫 

【演出】
河野圭太
音楽
本間勇輔

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
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