「コンシェルジュサービス」は
どんな問い合わせでも可能
プラチナカードの多くは、付帯サービスとして、電話で旅行やレストランの手配、ギフトの手配などが可能な「コンシェルジュサービス」がついている。
パンフレットやWebサイトには、「コンシェルジュサービス」の内容として「高級レストランの手配」などが書かれているため、「高額な旅行やレストランに行かないから、自分には必要ない」と感じる人も多いだろう。しかし、「コンシェルジュサービス」は、どんな事でも問い合わせ可能なのだ。
たとえば、「友達が地方から遊びに来ているので、○○駅周辺の居酒屋を探して欲しい」といった相談でも問題ない。実際、担当者に聞いてみると、飲食関連で使う利用者が多いとのことだ。プラチナカードのイメージもあるため、「居酒屋を探す」といったサービスはパンフレットなどに書かれていないが、基本的にどんなことでも相談できると考えていいだろう。
クレジットカードを特集する雑誌などでプラチナカードが取り上げられている場合、「コンシェルジュサービス」に関しては「付いているか付いていないか」という情報しか載っていないことが多い。
しかし、クレジットカード会社によって「コンシェルジュサービス」の対応の質はまったく異なるため、単純にサービスの有無だけで判断することはできない。実際に利用してみると、「コンシェルジュサービス」に力を入れている会社と入れていない会社がわかるだろう。
筆者の体験を書くと、これまで新幹線の予約と大相撲チケットの予約で、「ザ・クラス」のコンシェルジュサービスを使ったことがある。
どちらの予約のときも、非常に対応は良かった。どちらのチケットも自分で予約することができるが、その場合、予約開始日時が決まっている。大人気の公演など、予約開始と同時に電話やインターネットで申し込まなければ予約が取れないようなチケットの場合、代理で予約をしてくれる「コンシェルジュサービス」は非常に便利だ。
手配してもらったチケットの受け取りもスムーズだった。大相撲チケットのときは、予約番号を電話で伝えてもらい、セブン-イレブンの店頭で受け取った。新幹線チケットの方は、指定した住所に簡易書留で送ってもらった。代理予約だからといって、別途料金を取られることはない。
ただし、ミュージカルなどのチケットを取りたいと電話すると、「自分でネット予約したほうが早い」と言われることもある。「ザ・クラス」を保有している筆者の友人も、同じことを言われたことがあるようだ。
実際に自分で予約したほうが早く入手できるようだが、最初にこれを言われると、「コンシェルジュサービスって何ができるのかわからない」と感じてしまう。「ザ・クラス」のユーザーとしては、いったん予約希望日時を聞いてから、郵送などでも間に合うと思えば、そのまま受け付けてくれたほうがありがたい。
「コンシェルジュサービス」を通せば、「なかなか予約できないチケット」や一般では販売していないような良い席」が予約できると勘違いしている方もいるだろうが、実際は一般予約と同じチケットしか手に入らない。一見さんお断りのレストランや大相撲の溜席を用意しているというのは、特別に提携しているから可能なだけであり、提携していない場所で特別な席を無理やり用意してくれるわけではない。
また、「コンシェルジュサービス」だからといって、一般予約がすでに満席になっている状況で無理やり席を開けてくれたり、人気のミュージカル公演で一番前の席を前日に予約してくれたりということはない。あくまでも、「自分の代理をお願いできる」という程度だと考えておこう。
高級レストランで1名分の食事が無料になる
「グルメ・ベネフィット」
プラチナカードは、「2名以上のコース料理を予約した場合、1名分が無料になる」というサービスを提供していることがあり、「ザ・クラス」では「グルメ・ベネフィット」と呼ばれている。
たとえば、六本木のイタリア料理「Il Mulino New York(イル・ムリーノ ニューヨーク)」では、「West 3rd Streetコース」が1万9800円(税別・サービス料込)となっている。2名以上の利用で1名分が無料となるため、1回利用すると2万1384円分が 無料となる。
筆者は、以前からこの「グルメ・ベネフィット」を使ってみたいと考えているのだが、あいにくまだ利用したことがない。理由は、未就学児童が3人いるからだ。「グルメ・ベネフィット」は高級レストランが対象となっており、子供を同行させることは難しいと考えたからだ。実際、「Il Mulino New York」も年齢規定が「6歳以上」となっており、筆者は当分利用することができない。
しかし、今回この記事を書くために、あらためて「グルメ・ベネフィット」の年齢規定を調べてみた。すると、東京の麻布・六本木・赤坂・白金・南青山・表参道・早稲田エリアでは、15店舗利用できるが、そのうち8店舗には年齢規定がなく、中には未就学児童でも利用可能なお店もあるようだ。
当然、未就学児童も利用可能かどうか事前に確認しなければならないが、これまで「未就学児童はNG」という思い込みだけで諦めていたのはもったい話だった。近いうちに、ぜひ「グルメ・ベネフィット」利用して、レポートしたいと思う。
世界の約600ヵ所以上の空港で会員専用ラウンジが利用できる
「プライオリティ・パス」
「プライオリティ・パス」は、世界の約600ヵ所以上の空港で利用できる、独立系の空港VIPラウンジ・プログラムだ。「ザ・クラス」には、無料でこの「プライオリティ・パス」に入会できる特典がついている。
「プライオリティ・パス」で利用できるラウンジでは、軽食や飲み物などが無料で提供される。手荷物検査を終えた後のエリアにあるため、搭乗直前までゆっくり過ごすことが可能だ。
「プライオリティ・パス」の会員には、「スタンダード会員」、「スタンダード・プラス会員」、「プレステージ会員」の3つのグレードがあり、「ザ・クラス」で取得できるのは「プレステージ会員」となる。
■「プライオリティ・パス」のグレード | ||||||
会員 | 年会費 | 会員利用料金 | 同伴者利用料金 | |||
スタンダード | 99米ドル | 27米ドル/回 | 27米ドル/回 | |||
スタンダード・プラス | 249米ドル | 年10回まで無料、 その後は27米ドル/回 |
27米ドル/回 | |||
プレステージ | 399米ドル | 無料 | 27米ドル/回 |
「ザ・クラス」会員は、「プライオリティ・パス」の年会費も会員利用料金も無料となるので、「ザ・クラス」を取得したのであれば、「プライオリティ・パス」も申し込むといいだろう。
「My JCB」にログイン後、「JCBザ・クラス 会員限定サービス」のリンクから「プライオリティ・パス」リンクをクリックすると、申し込み方法がくわしく説明されている。
筆者も一応「プライオリティ・パス」を申し込んだが、ANAの「SFC(スーパーフライヤーズカード)」を保有しているため、これまで利用したことはない。「SFC」で利用できるANAのラウンジは同伴者1名まで無料で利用可能だが、「プライオリティ・パス」のラウンジでは同伴者が有料となるからだ。今後1人で出張に行くことがあれば、「プライオリティ・パス」を使ってみたい思う。
ただし、お得に「プライオリティ・パス」を利用したいだけであれば、「ザ・クラス」より「楽天プレミアムカード」の方がおすすめだ。「楽天プレミアムカード」であれば、1万円+税の年会費で「プライオリティ・パス」の「プレステージ会員」の資格が手に入る。
■楽天プレミアムカード | ||
還元率 | 1.0% | |
発行元 | 楽天カード | |
国際ブランド | VISA、JCB | |
年会費(税抜) | 1万円 | |
家族カード | あり(年5000円、税抜) | |
ポイント付与対象の 電子マネー |
モバイルSuica、ICOCA |
東京ディズニーリゾートの会員向け特別プラン
JCBは、東京ディズニーリゾートのオフィシャルスポンサーのひとつだ。そのため、東京ディズニーリゾートの予約サイトでは、「ザ・クラス」会員向け特別プランが用意されている。
しかし、今まで何度か「ザ・クラス」会員向け特別プランを検索してみたが、正直お得かどうかは不明だった。そこで今回はプラン内容をくわしく比較してみた。
「ザ・クラス」会員向け特別プランを申し込むには、まず「My JCB」にログインし、「JCBザ・クラス 会員限定サービス」のリンクから専用ページを表示。「東京ディズニーリゾート・バケーションパッケージ」の案内ページから「お申し込みはこちら」をクリックした。プランパスワード、出発日、泊数、客室数を選択した後、「検索する」ボタンをクリックすると、「東京ディズニーリゾートで過ごすラグジュアリーな休日 2DAYS」というプランがヒットした。
「バケーションパッケージ」は、「ザ・クラス」会員以外でも普通に予約ができるが、同様の条件で検索しても同じ名前のプランはヒットしなかった。そこで内容が似ていた「特別な日を大切な人と祝う 2DAYS(ホテル夕食付き)」というプランを選び、それぞれの価格や違いなどを比較してみた。
■「ザ・クラス」向けプランと一般プランの比較 | ||||||
「ザ・クラス」向けプラン | 一般プラン | |||||
プラン名 | 東京ディズニーリゾートで過ごす ラグジュアリーな休日 2DAYS |
特別な日を大切な人と祝う 2DAYS (ホテル夕食付き) |
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1日目夕食 | S.S.コロンビア・ダイニングルーム | ルームサービス | ||||
他の違い | ― | ディズニーアンバサダーホテル ルームサービス (ケーキ&スパークリングワイン) |
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大人2名1室 1名分料金 |
6万9200円 | 7万6300円 |
まったく同じプランではないため、比較は非常に難しいが、上の比較表を見る限りでは、「ザ・クラス」向けのプランが特別お得というわけではない。部屋の予約状況も、「ザ・クラス」用に用意されている部屋があるわけでもなく、「ザ・クラス」会員向け特別プランだからといって、一般向けプランよりメリットがあるとまでは言えないようだ。
東京ディズニーリゾート内にある会員専用の
「JCBラウンジ」が無料で使える
東京ディズニーランドと東京ディズニーシーでJCBがスポンサーしているアトラクションには、会員向けの特別ラウンジが用意されている。「ザ・クラス」会員は、そのラウンジが使えるチケットを年間に1枚申し込むことが可能だ。
ラウンジが利用できるのは、1枚のチケットで4人まで。ラウンジでは飲み物を飲むことができ、休憩後はすぐにアトラクションに乗ることが可能だ。そのため、そのアトラクションに関しては、ファストパスが不要となる。
特別ラウンジの招待券は郵送で送られ、また利用日時も要予約のため、ラウンジを利用するには余裕を持った計画が必要となる。また、この招待券は「ザ・クラス」以外のクレジットカードでは入手できない。もし、何らかの方法で招待券だけ入手したとしても、利用時に「ザ・クラス」の提示が求められる。まさに、プレミアムカードの特別感が感じられるサービスだ。
筆者は、先日、実際に特別ラウンジを利用してきた。詳細は、関連記事を参照して欲しい。
(関連記事⇒JCBのプラチナカード「ザ・クラス」保有者向けにディズニーシー内に設けられた特別ラウンジを公開! 東京ディズニーリゾートの“都市伝説”は本当だった!)
■JCBゴールドカード | ||
還元率 | 0.5~2.5% | |
発行元 | JCB | |
国際ブランド | JCB | |
年会費(税抜) | 初年度無料、2年目以降1万円 | |
家族カード | あり(1人は年会費無料。2人目から年会費 1000円、税抜) |
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ポイント付与対象の 電子マネー |
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今回は、JCBカードが発行するプラチナカード「ザ・クラス」の魅力をくわしく紹介した。
「ザ・クラス」は、300万円使ったときの還元率が0.8%と、ポイントだけで考えると魅力のあるクレジットカードではない。やはりポイントとなるのは、付帯サービスだ。もし付帯サービスに9万円近くの価値はないと判断するのであれば、還元率の高い「リクルートカードプラス」などを使ったほうがお得だろう。
■リクルートカードプラス | ||
還元率 | 2.0% | |
発行元 | JCB | |
国際ブランド | JCB | |
年会費(税抜) | 2000円 | |
家族カード | あり(年1000円、税抜) | |
ポイント付与対象の 電子マネー |
モバイルSuica、nanaco |