ハートネットTV WEB連動企画“チエノバ”「障害者の家族」(1) 2015.02.05


こんばんは。
ハートネットTV「WEB連動企画チエノバ」です。
レギュラーメンバー久保純子さん荻上チキさん。
お願いします。
そしてゲストには女優でタレントの奥山佳恵さんです。
よろしくお願い致します。
「障害者の“家族”が抱える悩み」について考えていきたいと思っております。
奥山さんは3歳の息子さんがダウン症候群…。
上のお兄ちゃんが12歳で下の子がダウン症。
まだ3歳なのできっと具体的な悩みはこれからなのかなというところなんですが。
今日のテーマはいかがですか?この番組に出させて頂くにあたってカキコミを読ませてもらったんですね。
その量にはやっぱり圧倒されました。
この量があるという事はそれだけ思いの丈を発信する場や人がいないっていう現状なんだなって感じましたね。
ではそのカキコミですけれどもタイトルだけですがちょっとご覧下さい。
こちらずらっと天井に並べてあります。
う〜ん本当にたくさん。
色分けしてまして左から青が親子。
黄色が夫婦。
そして一番右赤が兄弟と大きく分類しています。
ちょっと具体的に見ていきましょうか。
グッとカメラさん寄って頂けますか。
これが親子ですね。
「大切なはずなのに」。
「父に発達障害があります」。
(荻上)黄色が夫婦なんですね。
「もう疲れました」っていう方もいらっしゃいますし「人間らしい自由を手にいれたい」。
関係に縛られてるっていう不満などなんでしょうかね。
このように悩みを知ってほしい聞いてほしいという声がたくさん集まりました。
「障害者の“家族”」2回シリーズでお伝えしていきます。
1回目の今日は誰にも言えなかった悩みにじっくりと向き合ってまずみんなで共有します。
そして2回目は「バリバラ」とコラボしながら解決へのヒントを探っていきます。
ではまずこちらからご覧下さい。
発達障害のある子どもをもつ母親から寄せられたカキコミです。
「今年小学一年生になる一人息子。
昨年末ADHD自閉症と診断。
何をするにも気が散り身支度などに時間がかかる彼に『どうしてすぐにできないの!いい加減にして!』と時には手を上げてしまう。
ADHDにとってはしかたのない事なのに怒ることどなることを我慢できない。
手を上げる母親の私が彼を一番理解できていない。
どうすればいいのかわからない。
そんな最低な母親に息子は今日もニコニコと笑い『ママ』と呼んでくれる。
胸が詰まる」。
何か一生懸命お母さんがお子さん自身に向き合おうとしてるお気持ちが伝わってきますよね。
私もまだダウン症の子を迎えて3年しかたってないんですが最初はやっぱりつらかったんですよ。
受け入れるまでは。
けど少しずつ子どもにダウン症の親にしてもらってる気がします。
少しずつでも徐々にねお母さんに。
その子に合ったお母さんになっていけるといいですよね。
関係性が変わってきますよね。
今の場合で言うと発達障害の特性はなんとか分かろうとしてる分かってるつもりなんだけれどそれでも怒ってしまうという事。
そういう自分に対しての自己嫌悪という事ですよね。
この方は自分を最低の母親と呼んでますけれどもまず最低ではないですね。
向き合わなきゃでも自分もうまくいかないっていう。
戸惑うのは本当に誰でも戸惑いがちだと思います。
ただでさえお母さんって孤立しがちで家で一人で子どもを見なきゃいけないっていうプレッシャーの中でしかもその障害の特性を理解してだけどそれを周りに打ち明けたりとか相談できる人となかなかつながれないっていう二重三重の孤立っていうものが起こりがちなのでやっぱりこういった場所じゃないと吐き出せないっていうような状況は今あると思いますのでなんとかつながれる状況つながりやすい状況にしていきたいですよね。
社会をね。
さあ続いてなんですが今度は逆に障害のある親をもつ子どもからの悩みです。
「物心付いた頃から私の家は普通の家とは違うんだと理解していました。
友達と家の話になった時は『母が精神疾患』とは言えなくてウソをついていました。
世間では精神疾患と分かるだけで偏見を持たれるし。
友達にはウソをつきたくない。
でもこれは必要なウソなのかな…。
いつか家の事を全てありのままに話せるといいなと思っています」。
さまざまな葛藤があるようですよね。
(荻上)特に精神障害発達障害の家族をもつ場合ですと周りから分かりにくい。
だから言いにくいというところもある。
場合によっては家族がほかには言っちゃ駄目だよって口止めをしてるケースもあったりする。
でも自然に自分の親の事を語りたいのにという事でモヤモヤする。
じゃあ自分が語ろうとしても今度は社会の側を信用していいのかなという事で戸惑う。
そういうふうに疑ってる自分は自分自身が親を差別してるんじゃないかという事で戸惑うという葛藤を行き来するような状況に置かれるというのは本当につらい事だと思いますね。
それ自分の中で繰り返す訳ですからね。
本当は伸び伸びと青春をおう歌してもらいたい年頃なのに。
障害のある親をもつ子どもの悩み。
こんなメールも届いています。
本当は当たってはいけない親だって分かっていても発散する相手がいない。
小さい頃から両親を助けなくてはいけなかったっていうのは子ども側にとっては本当に大きなプレッシャーですよね。
身近に相談相手がいないというこのどうにもならない孤独感。
それはやっぱり発信していかないと伝わらないものなんですよね。
本当はね。
今のように子どもが小さい頃から幼い頃から支援者としての役割を担うという事について専門家の方こんな事を話しているんですね。
自分らしく生きるというアイデンティティーの形成や発達に大きな影響を与えてしまうと。
自分のしたい事を一番に考える前に他人を一番に考えて褒められてきた子どもは自分の存在価値を見いだせなくなる傾向もあるという事なんです。
何とか君という個人ではなくて障害児の弟とか障害児のお姉ちゃんみたいなそうした役割を固定されてしまうとなかなか自分の気持ちっていうものを親に伝える事もできにくい。
親も忙しいっていうようなそうした循環に入り込んでしまう事もあるのでやっぱり周りとの信頼を作れるような状況というのが大事だという事が分かりますね。
一人でもいいからね。
親が兄弟を個々で見なければいけないという事ですよね。
「私は親に八つ当たりの日々でした」というようなツイッターも来ています。
「障害者の“家族”が抱える悩み」ですが続いてはこういったものです。
このカキコミをしてくれたまいさんを訪ねました。
(取材者)あっ「ハートネットTV」です。
・は〜い。
こんにちは。
(2人)よろしくお願いします。
メールを寄せてくれた…今妹や母親とは離れて暮らしています。
ちょっと小さい時の写真なんですけど…。
子どもの頃から「妹の面倒を見るのは当たり前」と言われてきたまいさん。
以前はそれが負担でした。
しかし離れて暮らすようになった今自分が妹を支えていきたいと考えるようになりました。
実はまいさんは幼い頃から母親との関係にどこかぎこちなさを感じてきました。
その事をはっきり意識したのは10年前父親が亡くなった時でした。
まいさんは母親が忙しい時はできるだけ実家に帰って妹の世話をするようにしています。
えりちゃんピース!今回番組にメールを送ったのは子どもの頃に言えなかった気持ちや将来の事を母親に伝えたいという思いもあったからです。
実はまいさんなんですが今回番組に出演するにあたってお母さんと話したそうなんです。
お母さんも妹に掛かりきりになってしまってまいさんとの時間を十分にもてなかった事を後悔していたと話してくれたそうです。
まいさん自身はこれからどんな関係を築いていけるかはまだ分からないけれども一歩を踏み出せたと話していました。
お母さんにまいさんの気持ち届いたでしょうか。
奥山さんどんな事を感じました?何か私もこのVTR見てて思ったのは私の気持ちもまいさんのお母さんと似てるんですよね。
子どもは子どもたちそれぞれの自分の人生を歩んでってほしいと思うんです。
親心として。
だけど言い方をやっぱりちょっと間違えてしまうと子どもにもしかしたらね…家族の一員なのに疎外感を与えてしまいかねないんだなって感じました。
だからやっぱり話し合いの場ですよね。
思いを共有する事で同じ仲間だよって。
この母の気持ちも子どもの気持ちもお互いに通じ合うといいんだなって思います。
親としてはよかれと思ってまいさんを思ってと思った事が逆に傷つけてしまってましたもんね。
子どもの方も「これ言っていいのかな?」っていう迷いも悩みもあったのかなと思いますよね。
今回寄せられた兄弟の方からのカキコミにはいつか親がいなくなれば兄弟の面倒を自分が見ていくと思うとつらいといった将来への不安の声もたくさん届いたんですよね。
専門家によると多くの家族に言える事は福祉サービスを知らなさすぎる事だと。
在宅か施設または面倒を見るか見ないといった二者択一のようになってしまっていて親の姿を見ると自分も同じように面倒を見なければならないと思って大きな負担に感じてしまうという事ですよね。
家族として過剰に支援の側に固定されてしまう事もあれば「あなたは構わなくていいんだよ」と言いつつも家族から排除されたように感じてしまう。
どうしても障害があるとそれが中心に回っていく事になってしまいますので。
しかもそういった事を悩める…悩みを告白できる場所っていうのもなかったりしますからね。
ほかの兄弟はどうしているのか知りたいっていうカキコミもすごく多かったんですね。
何か求める場所っていうのはあるんですか?兄弟の交流できる場というものはあったりしますしそういったものを告白したりとか語り合う場っていうのはあるんですけどでもどうしても兄弟の問題となると子どもの頃に経験するので子どもの頃からそういった場所に自力でたどりつくのは難しい。
だから地域や周りの社会というのが重要になるんですね。
こちらについては引き続き考えていきたいと思います。
最後に今回寄せられた悩みの中でも特に目立っていたのが発達障害の夫をもつ妻の悩みです。
広汎性発達障害と診断された夫と暮らす30代の女性からのカキコミご紹介します。
このような悩みがある人の間で最近こちらが注目を集めています。
去年12月に出版されたこの漫画にも発達障害の夫をもつ妻の悩みが描かれています。
主人公の女性はちょっと個性的だけど穏やかな夫が発達障害だと気付かずに暮らしていました。
しかし次第に夫の言動に違和感を感じるようになっていきます。
ある日夫の借金を見つけた妻。
でも14年前借金が発覚した時にカードは全部取り上げたつもりでした。
この時厳しく言い含めたはず。
しかし…。
夫は言葉をそのままの意味にしか受け止めないのです。
沈みそうな家計を必死に働いて立て直そうとしても傍観するだけで協力しようとはしない夫。
その言動に妻は身も心も打ちのめされていきます。
漫画を描いた野波ツナさん。
描かれているエピソードは全て自分の体験が基になっています。
野波さんの夫が発達障害と診断されたのは結婚して17年目の事でした。
今野波さんのもとには漫画を読んで共感した人たちからたくさん手紙が届いています。
「夫は言葉の裏は読めません。
場の空気も読めません。
当然私の心も読めません」。
理解した上でそれを…知ってもらいたいっていうお気持ちが一番お強いんですね。
実は私のお友達も結婚して長いんですけど最近になって旦那さんが発達障害だっていう名前が付いた。
ずっとおかしいなおかしいなとこの漫画家の方とツナさんと同じでおかしいなと思ってて診断受けた。
…でようやくふに落ちたというふうに。
ああそこでね。
ふに落ちたから初めてそこでスタートをして夫婦関係の関係性がまた変わって今よくなったとは言ってましたけど。
分かっていると思っていてもなかなかその特性が理解できなかったりというのは…。
名前が付く事で周りの方に自分の気持ちを理解してもらいやすくなったのかもしれないですよね。
それはいいなという点ですけど。
こういった「周りの方々からの理解が得られないというのは本当に辛い事だと思います」。
名前が付いてない事によって伝わりにくいっていう段階と名前があったとしても「そんなの普通だよ」って言って理解されないっていう段階があったりして個人に名前が付くという事とやっぱり症状そのものに対する理解が進む事っていうのがセットでないと難しいですよね。
こんなカキコミも来てたんですけれども…。
同じ悩みを抱えていてやっぱりご主人が発達障害。
そうすると義理の両親も私が神経質だと責めてどんなに訴えても私の愚痴にしかなりませんという事で。
周りの理解っていうのも進んでいかないですよね。
専門家によると発達障害の夫だけが悪いって…この場合ね。
…という事ではなくてあくまでも関係性の問題だと。
だから着地点を探していけるといいというような意見もあるんですがでもなかなか難しい問題ですね。
どうしても探るのにも時間もありますしそれを抜きにしても相性というのもあったりするのでやっぱり症状に対する理解というものが早くそして自覚も早くっていうのが望ましいですよね。
次回はこうした悩みについて一体どうすればいいのか考えていきます。
ほかの人はどうなのという声もたくさん届いていますから。
皆さんから自分はこんなふうにしたというような経験談やアドバイスご意見などを募集したいと思います。
カキコミお待ちしております。
さあ続いてですけれども…
東京で障害者のパワーリフティングの日本選手権が開かれました
(取材者)おはようございます。
(一同)おはようございます。
参加するのは主に脚に障害のある選手です
障害者のパワーリフティングはあおむけの状態でどれだけ重いバーベルを挙げられるかを競います。
海外ではとても人気のある競技の一つです
ダ〜ッ!
(ブザー)
しかし日本では認知度が低く選手層が薄いのが現状。
これまでのパラリンピックでの成績は最高6位。
メダルにはあと一歩届いていません
さあここで…今試合前に検量が行われているので早速中入っていきましょう。
失礼します。
パワーリフティングはボクシングや柔道と同じように体重別で試合が行われます。
障害の程度や種類は関係ありません
61.54です。
試合のルールは障害者も健常者の場合とほとんど変わりません。
まず脚を伸ばした状態であおむけに。
バーベルを胸まで下ろし一旦しっかり止めます。
そこから勢いをつけずに一定の速度で腕がまっすぐ伸びるまで持ち上げ再びしっかり静止。
少しでもぶれると失敗となります
さあこれから大会が始まります。
今選手たちが紹介されています。
どんな戦いになるんでしょうか。
力が入ります!
この日の大会で注目を集めたのが…
ロンドンパラリンピックでは9位でした。
自己ベストは日本記録の132キロ。
今回135キロに挑戦します
スタート!
(観客)いけ〜!よし!
リオが一歩近づきました
そしてもう一人。
リオで最もメダルに近い男といわれている…
日本記録196キロを挙げる怪力の持ち主。
交通事故による脊髄損傷で胸から下の感覚がまひしているそうです。
1回目はまず180キロに挑戦
スタート!
見事クリアー。
挑戦できるのは一人3回のみ。
自己ベストを伸ばしたい。
でも確実に記録を残さないと勝てない。
何キロに挑戦するか難しい判断です
2回目190キロに失敗した後を受けて最後の3回目
(深呼吸)
自己記録を更新しようとなんと197キロに挑戦しました
(観客)いけ〜!
う〜ん!失敗
(取材者)やってよかった?
リオに向けて210キロをクリアーする事が大堂選手の目標です
(一同)オ〜!盛り上がっていましたけども選手たち下半身の力が使えないのでふんばれないという点では健常者よりかなり不利なんですよね。
選手の皆さんには1キロでも記録を伸ばしてリオ行きを決めてほしいと思います。
番組では今後もいろんなパラリンピック競技を紹介していきます。
こんなニュースが入ってきました。
テニスの全豪オープン車いすの部で男子の国枝選手と女子の上地選手ともにシングルスとダブルス両方とも決勝に進みました。
全て優勝してほしいと思います。
「障害者の“家族”が抱える悩み」今日テーマに掲げて考えていきましたけども。
たくさんツイートが来ています。
(荻上)紹介しましょうか。
当事者と支援者が双方共倒れになってしまうような状況というのが一番よくない事なのでやっぱり支援をできる体制っていうものをしっかり作っていくという事が必要ですね。
そして支援者の苦労っていうのはなかなか共有されていない状況も改善したいですね。
こちらもご紹介します。
本当に周りの人がどういう事をすればいいのか知恵を皆さんから頂ければと…。
皆さんから頂きたいですね。
次回は「バリバラ」とコラボしながらどうすればいいのかみんなで考えていきたいと思います。
カキコミお待ちしておりますのでどんどんお寄せ下さい。
一緒に考えていきましょう。
2月25日ですね。
水曜日。
今日は皆さんどうもありがとうございました。
2015/02/05(木) 13:05〜13:35
NHKEテレ1大阪
ハートネットTV WEB連動企画“チエノバ”「障害者の家族」(1)[字][再]

ネットやSNS経由の声を元に考えるWEB連動企画チエノバ。1月から2回連続で障害者の家族が抱える思いに向き合う▽ミニコーナーは障害者のパワーリフティングを紹介

詳細情報
番組内容
番組HPには、障害のある当事者だけでなく、その家族からも様々な「声」が寄せられている。知的障害のある子どもを育てる「親」、兄弟姉妹に障害がある「きょうだい児」、精神疾患などを発症した父や母と向き合う「子」、発達障害の夫の言動に悩む「妻」…。家族の障害をどう受容し、自分の人生をどう生きるか?1月の放送では、様々な立場の家族から寄せられた「声」を紹介。それぞれが抱える問題を考え、2月の放送につなげる。
出演者
【ゲスト】奥山佳恵,【出演】評論家、「シノドス」編集長…荻上チキ,久保純子,【司会】山田賢治

ジャンル :
福祉 – 障害者
福祉 – 社会福祉
情報/ワイドショー – 健康・医療

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音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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