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大竹しのぶ×寺島しのぶ×坂井真紀×木村多江 豪華共演
制作にあたった黒沢淳プロデューサー(テレパック)はドラマ化に際し、こう思った。
「カマキリのように男を食いつぶしていく悪女を描いてみたい」
2002年に福岡で発覚した連続保険金殺人事件を描くドラマスペシャル「黒い看護婦」(13日後10・0、フジテレビ系)にキャスティングされたのが、大竹しのぶ(57)、寺島しのぶ(42)、坂井真紀(44)、木村多江(43)の実力派4人。豪華女優の魂のぶつかり合いと戦慄のストーリーが始まる。
《福岡県久留米市。車には田中直子(大竹)、秋川美奈子(寺島)、村井香澄(坂井)が乗っていた。やがて安藤康子(木村)に呼ばれた3人は康子の実家に入り、眠っている男の鼻に医療用の胃チューブを挿入してウイスキーを流し込んだ。男は康子の夫、安藤敦(寺島進)だった。心拍が止まったことを確認した3人は家をあとに。女4人は同じ看護専門学校で学んだ仲間だった》
絡み合い決して離れることができなかった4人のゆがんだ関係性。何が彼女たちを冷酷な犯罪に走らせたのか。黒沢Pは「人間なら誰でも内に持つ“悪”への憧憬。人間の行いとはかくも滑稽なものなのかと感じられる瞬間が多々あるでしょう」と話す。
各女優たちはドラマへの抱負を口にする。
「リアリティーを持って演じるのは難しいなと感じた。見てくださる方々がどう捉えるのか想像がつかないですが、“なぜこの人はこのような状態になってしまったんだろう”と感じてもらえたら」(大竹)
「自分を誰かに委ねていないと生きられない美奈子役については、淡々とその場の気持ちを信じて演じるようにしました」(寺島)
「私が大好きな女優さんたちとご一緒できてうれしかった。人間はちょっとしたことで道を踏み外すものですよね。ボタンをかけ違えてしまった登場人物たちの人間ドラマを見ていただけたら」(坂井)
「嘘みたいな話を納得して演じるのが最初は難しいな、と。直子に洗脳されていく怖さとともに、人間は愚かで滑稽な生き物なんだという部分を感じてほしい」(木村)
次々に明かされる不可解なエピソード、そして緻密に描かれる4人の心の闇から事件のリアルな背景が浮かび上がってくる。