今回は話題の外食産業大手、マクドナルドやガストなどの「飲食クーポンアプリ」のMAU率を比較してみました。
クーポンアプリの多くはクーポンを使用する代わりに会員登録によって企業がアプリでのCRMを行うといった形になっています。この調査では「よく利用されているクーポンアプリの特徴」、「マーケティングに適したクーポンアプリの形態」が明らかになります。それでは、早速MAU率ランキングの発表です。
アプリ名 | MAU率(%) | ||
---|---|---|---|
1 | ガストアプリ お得なクーポンが使える無料アプリ (Skylark CO., LTD.) | 66.57 | |
2 | マクドナルド公式アプリ (日本マクドナルド株式会社) | 50.27 | |
3 | ロッテリア公式アプリ (LocationValue Inc.) | 49.74 | |
4 | モスバーガー (MOS FOOD SERVICES, INC.) | 23.26 | |
5 | LAWSON (Lawson, Inc.) | 19.63 |
Note
- [データ元: App Ape Report 2014年12月版(国内約3万5千台のAndroid端末を分析)]
- MAU率:そのアプリの対象期間における所持ユーザーのうち、1ヶ月に1回以上起動しているユーザーの割合
- 今回使用したグラフ上ではMAU率を"アクティブ率"として記載しています
6割のユーザーが月に1回以上クーポンを利用しているガストアプリ
MAU率1位は66.6%のガストアプリ。全都道府県に1300件以上もの店舗を展開する大規模なファミリーレストランなので クーポンが利用される機会が多いのもありますが、15種類以上の数多くのクーポンを取り扱っていたことと、 食事をするともらえるポイントで景品が手に入るサービスがあったのもMAU率が高い要因であると考えられます。
実はランキングとして掲載はしていないのですが、ガストアプリは女性比率が一番高く6割を超えていました。 (『App Ape』では、MAU率の他に、各アプリの所持率、男性・女性比率、年代別比率、DAU率、インストール率、アンインストール率、起動率を提供。) 要因としてアプリ名に「お得」「無料」が入っていたことも関係しているのかもしれません。 アサヒグループホールディングスの節約に関する意識調査アンケート結果 によるとの男性よりも女性のほうが「節約を意識している」と回答していました。 さらに2014年から消費税8%になり女性の節約意識がさらに高まっていると考えられますね。
2,3位は大手ファーストフード店のマクドナルドとロッテリア
ガストアプリ次いで高いMAU率となったのは、大手ファーストフード店のマクドナルドとロッテリアでした。 マクドナルドは約11種類,ロッテリアは約21種類でどちらも、数多くのクーポンを取り扱っています。 また、ロッテリアのクーポンアプリは、現在地に近い店舗を地図とピンで表示して、各店舗のクーポン情報を教えてくれます。 低価格なハンバーガー、サイドメニューなので気軽に利用できるのも特徴です。そのためクーポンも頻繁に利用されているのではないでしょうか。
Note
- クーポンの数は2015年1月の調査時点の数値
モスバーガーとLAWSONはMAU率25%を下回る
全国チェーンのハンバーガーショップのモスバーガーのアプリと、コンビニエンスストア LAWSONのアプリは25%を下回り4位,5位となりました。 ほとんどのユーザーアプリをインストールしているだけの状態であると考えられます。その理由として、特にモスバーガーはクーポンの配布は頻繁には行っていなく、 キャンペーン期間に絞っていることが要因の一つだと考えられます。その代わり、5つのアプリのなかで一番細かくメニューを説明をしていました。 なので主に商品カタログとして利用されているようです。これは、常時多数のクーポンを提供するマクドナルド公式アプリと対照的です。
クーポンが充実しているアプリ=MAU率が高い
今回の調査で分かったことは、クーポンの定期的な掲載をおこなっているアプリは、MAU率が他のアプリより2倍以上差がついたことです。 特に上位3位はクーポンの数が15個以上でそれぞれMAU率が50%を超えていました。かなり顧客の満足度を重要視したサービスとなっていました。 つまり、企業のマーケティングでアプリを用いる際、実際に機能する(ユーザーが定期的に使用する)アプリをリリースするのが重要なポイントとなりそうです。
また、外食産業の分野は顧客の定期的な消費が多いためアプリのMAU率も高い傾向になります。しかし実際の所、機能している飲食クーポンアプリが全然少なく 今回取り扱った分野はまだまだブルーオーシャン状態でした。ファーストフードやレストランなどの飲食の分野はアプリでの宣伝方法と相性がよいのでこれから、 さまざまな企業のクーポンアプリが増加していくのではないでしょうか。
クーポンの種類、数で消費者の「お得感」をがっちり掴むことが企業に経営にとって大きなポイントになるでしょう!