小渕優子前経産相ら、女性2閣僚辞任で勢いづく野党の次なる標的として、西川公也農水相に対する安愚楽牧場(栃木県)の献金問題が浮上している。ただし、ネックは野党第1党・民主党の海江田万里代表だ。自身が同社の広告塔と称された過去があり、訴訟沙汰にもなっている。西川氏を攻撃すれば“ブーメラン”が跳ね返ってくるのが確実なのだ。
「安愚楽牧場からの献金はすべて返金を完了しております」
西川氏は16日、参院農水委員会で共産党に献金問題をただされ、こう答弁した。
安愚楽牧場は、和牛オーナー制度が行き詰まり2011年に経営破綻、経営者が特定商品預託法違反罪で1審有罪判決を受けた。西川氏は10年までの5年間、同社から計125万円の政治献金を受けていたほか、長男が同社の顧問を務めていたこともある。「政治とカネ」問題で安倍晋三政権に攻勢をかけたい野党にとっては格好の標的だ。
共産党は今後、さらに西川氏への追及を強める構えだ。党関係者は「まだ、ほんのサワリだ。政治資金の流れを詳細に確認したうえで、政治倫理上の責任を徹底追及していく」と話す。