独首相:ウクライナ危機打開で「強行軍」 野党も称賛

毎日新聞 2015年02月13日 18時54分(最終更新 02月14日 02時55分)

EU首脳会議後、会見に応じるメルケル独首相=2015年2月12日、AP
EU首脳会議後、会見に応じるメルケル独首相=2015年2月12日、AP

 【ベルリン篠田航一】「7日間で2万キロの旅」「ほとんど寝ない」「どうすればこんな業務をこなせるのか」−−。ウクライナ危機打開のため、ドイツのアンゲラ・メルケル首相(60)が欧米を短期間で飛び回る「強行軍」が独メディアで話題になった。首相に厳しい野党からも「大変な敬意を払う」(左派党のリービヒ議員)と称賛されている。

 首相は12日、ブリュッセルでの欧州連合(EU)首脳会議後の記者会見で「今週はどうだったか」と聞かれ、「特別な疲れはない。(木曜日で)まだ今週は終わっていない」と、仕事への意欲を見せて爆笑を誘った。

 首相の外遊は、ウクライナに対する米国の武器供与案が報じられた後の2月第1週から始まった。5日、急きょオランド仏大統領とウクライナの首都キエフ入りし、ポロシェンコ大統領と会談。その夜ベルリンに戻り、翌6日にイラクのアバディ首相と会談後、オランド氏と共に今度はモスクワに飛び、プーチン露大統領と5時間以上協議した。

 首相は翌7日に独南部ミュンヘンで安全保障会議に出席後、8日に北米へ。9日にはオバマ米大統領、ハーパー・カナダ首相と相次いで会談。10日はベルリンで執務をこなし、11日にはワイツゼッカー元独大統領(1月死去)の追悼式参列後、ベラルーシの首都ミンスク入り。12日にかけて約16時間の独仏露ウクライナの4カ国首脳会談に臨んだ。その足でブリュッセルでのEU首脳会議に出席した。

5〜12日のメルケル独首相の動き
5〜12日のメルケル独首相の動き

 首相は通常の睡眠時間が4〜6時間とされ、かつて女性誌に「ラクダが水分をためるように、睡眠時間をためることができる」と話した。

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