ドイツ銀に南山学園が90億円の賠償請求-UBS、野村に続く
(ブルームバーグ):南山大学などを運営する学校法人南山学園(本部・名古屋市)は、ドイツ銀行 とドイツ証券を相手取り、金融派生商品(デリバティブ)取引で損失を受けたとして、約90億円に上る損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こしたと発表した。
南山学園(ハンス・ユーゲン・マルクス理事長)が13日公表した資料によると、デリバティブ取引で説明義務違反などがあったと主張している。ドイツ証の井上敬之広報担当はコメントを控えた。
同学園は昨年、UBS証券と野村証券 に対しそれぞれ67億円、21億4000万円の損害賠償請求訴訟を起こしており、ドイツ銀への訴訟は3件目。請求金額は最大となった。一部の日本企業や学校法人は、2008年の世界的な金融危機の影響を受け資産運用で損失を計上。複雑な内容の金融商品を組成・販売した金融機関に対し、リスクに関する説明が十分でなかったなどとして、責任を追及する訴訟が相次いでいる。
同学園財務事務室の岡島茂則室長はブルームバーグ・ニュースの電話取材に対し、提訴の背景について「ドイツ銀はリスクについての説明が十分でなかった」と述べたが、詳細についてはコメントしなかった。
12年の発表資料によると、南山学園は05年から資産運用の一環として金利スワップ、 為替などのデリバティブ取引を始めたが多額の含み損が発生。証券会社6社とのデリバティブ取引解約で12年までに約229億円の損失を計上した。岡島室長によると、ドイツ銀とはその間6件の取引を行っていたという。
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更新日時: 2015/02/13 16:40 JST