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去年の経常収支 黒字額が過去最少に2月9日 9時17分
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日本が海外との貿易や金融取引などでどれだけ稼いだかを示す去年1年間の経常収支は、円安によりエネルギーの輸入額が膨らんだことなどから、黒字額が2兆6000億円余りとなり、4年連続で減少して統計上、最も少なくなりました。
財務省によりますと、去年の「貿易収支」は赤字額が前の年より1兆5903億円拡大して10兆3637億円となり、赤字額は統計が比較できる平成8年以降で最も多くなりました。
これはアジアやヨーロッパ向けの自動車の輸出額が増えたものの、円安によりエネルギーの輸入額が膨らんだことなどによるものです。
一方、海外旅行や貨物運賃などサービスのやり取りを示す「サービス収支」は、去年、日本を訪れた外国人旅行者が過去最多となり、日本での消費金額が増えたことなどから、赤字額は3兆932億円と前の年より縮小しました。
また、海外からの配当や利子などのやり取りを示す「第一次所得収支」は、日本企業の海外への直接投資による収益の受け取りが増えたことなどで、18兆712億円の黒字となりました。
この結果、日本が海外との貿易や金融取引などでどれだけ稼いだかを示す去年1年間の「経常収支」は、黒字額が前の年に比べて18.8%減って2兆6266億円となりました。
これで黒字額は4年連続で減少して、統計が比較できる昭和60年以降で最も少なくなりました。