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あの老舗串カツ店が代替地求め調停申し立て 大阪駅前地下道工事 占用許可切れ
大阪・梅田の「大阪駅前地下道」(大阪市北区)の拡幅工事に伴い、市から立ち退きを求められている老舗串カツ店「松葉」が市などを相手取り、営業を存続するための代替地の提供を求めて大阪簡裁に調停を申し立てたことが13日、分かった。地下道では松葉や飲食店街「ぶらり横丁」内の店など計5店舗が営業。市は「道路の占用許可は切れ、不法占拠にあたる」として、強制的に立ち退かせる行政代執行など法的措置を検討している。
駅前地下道はJR大阪駅と阪神百貨店梅田本店の間を東西に走る約220メートルで、昭和17年に完成。終戦直後の混乱期に闇市が占拠し、路上生活者の寝床になったため、市は闇市の解消と衛生面の改善を図るため、飲食業者らに道路占用許可を与えた。
地下道に並ぶ飲食店は仕事帰りの常連客らに親しまれてきたが、阪神百貨店の建て替えに伴い、地下道の拡幅工事が決定。店舗の占用許可期限は昨年9月末に切れた。松葉側の代理人弁護士は「市は阪神側との話し合いだけで工事計画を進めた。一方的に退去を求めるなら、代替地を用意すべきだ」と話している。