DJ Mizuta:衣食住音

DJ MIZUTA : 衣食住音

10年後に読んでも面白い音楽ブログ。「10年経ってみないと全てを語れない」の気持ちを込めた“10年レビュー”など。全ての音楽は絶妙な関係性を持って存在しているのです。

2015年02月07日

「風営法関連年表」から読み取れる事

2月4日のDOMMUNE『TALKING about 風営法!! 第6章』で、出演されていたNOON金光さんが作成した2010年から2015年2月4日現在までの風営法関連年表です。(クリックすると拡大表示されます)

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アメリカ村でクラブの一斉摘発が始まってから、もうすぐ5年になるんですね。人気店の摘発やNOON裁判の判決等、ネットニュースでの見出しで目立つ部分だけが記憶に残りがちですが、こうして時系列を俯瞰すると、実に多くの方が法改正に携わり、5年間で確実な成果を挙げてこられたことを実感できます。

2010〜2011年の摘発数は今こうして見てもびっくりするぐらい多いのですが、忘れてはならないのは、摘発されたクラブだけが閉店または営業停止したのではなく、取締りの曖昧な基準故に経営者が怯え、また宣伝活動も出来なくなった事から、他の多くの店舗も閉店を余儀なくされたという事実です。新聞などで語られることはありませんが、その中で多くの失業者が生まれ、DJ、ミュージシャンの表現の場も奪われていったのです。特に大阪は本当に大打撃を受けました。

他にも、この表から分かる事があります。当初は一部から「警察を刺激することになる」と批判的な声も挙がっていたLet's Dance署名ですが、実は署名開始以降、摘発は激減しているのです。CCCC(クラブとクラブカルチャーを守る会)の発足やNOON裁判も、この表を見れば取り締まり及び摘発に対する抑止効果があった事が解ります。特にNOON裁判の一審無罪判決以降は摘発数ゼロなんですよ。

「最近はほとぼりも冷めて警察の取り締まりも減った」と考えている方もいるようですが、おそらくそれは勘違いです。法改正に向け建設的な活動、発信を継続してきた各種団体及び周辺で活動する人達の力が抑止効果となり、現在のバランスを生み出しているのだと思います。しかしこれも一時的な物と考えた方が良いでしょう。2010年〜2011年に味わった痛みを再び味わう事のないよう、ダンス業界に携わる人が正確な状況を把握し、業界再生に向けて当事者意識を持つ事が重要なのではないでしょうか?


■関連リンク
・(記者有論)ダンスクラブ規制緩和 夜の文化、萎縮招かぬよう 神庭亮介 - 朝日新聞デジタル
 http://t.asahi.com/h6r0



djmizuta at 21:02│Comments(0)TrackBack(0)clip!風営法関連 

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