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ナッツ姫、堅実だったお嬢時代

 大韓航空の趙顕娥前副社長(40)が自社機内で客室乗務員のナッツの出し方に怒り、客室サービス責任者を降ろして離陸を遅らせた事件で、ソウル西部地検は7日、趙前副社長を航空保安法違反などの罪で起訴し、「(趙被告の)地位を乱用した行為で、安全業務に支障を来した」などとする中間捜査結果を発表した。

 地検は「会社のオーナー(趙亮鎬・韓進グループ会長)の娘であり副社長という地位を乱用して航空機を引き返させる事態を起こし、安全規定を無視した」と指摘。点検などが行われる離陸前の重要な段階で、趙被告の行為により航空機の安全が脅かされたと強く非難した。

 地検は、乗務員らに「副社長に問題はなかった」との虚偽証言を迫り隠蔽(いんぺい)を図ったとして、同社常務(57)を証拠隠滅罪などで起訴。また国土交通省による同問題の調査内容を常務に漏らしたとして、同省調査官(54)も起訴した。

 趙被告については、常務から隠蔽の状況について逐一報告を受けており、国交省の調査に対する介入で常務と共謀関係にあったとして、偽計業務妨害罪でも起訴した。

 韓国では財閥の一族経営に批判が集まり、2、3世の横暴な行動が社会問題になっているが、趙被告の学生時代を知る人物は「ウソをつかない人でした」と振り返る。米アイビーリーグの名門、コーネル大ホテル経営学部の同級生で、外資系企業勤務の千野淳氏(40)がこのほど取材に応じ、同被告の素顔を語った。

 「将来的にホテル部門や機内サービスを任されると分かっていて、目的意識が明確だった。リーダーシップがあり、自分の意見をちゃんと言える人でした」と振り返る。大学には裕福な家庭の出身が多かったが、趙被告は在学中、3人でアパートの1室をシェアした。「親に一軒家を購入してもらったり、1人で1カ月2000ドルの部屋に住む金持ちの子息もいる中、3人で割った1人あたりの家賃は1カ月約500ドル。大学周辺では平均的な家賃でした」。

 財閥出身のお嬢様でありながら、生活は堅実だった。洋服は色もスタイルも一見地味なものが多く、目立ったブランド品を所持することもなかった。友人同士で外食する時は割り勘。自宅では韓国料理を作り、友人に振る舞うこともあった。友人同士で海外旅行する際はエコノミークラスを利用していたという。

 千野氏は「実力で大学を卒業し、プライドを持って仕事をしていた。彼女を怒らせるよほどのことがあったと思う。裕福だからと、自分より下の人を見下す人ではない」と話している。【近藤由美子】

 [2015年1月8日9時23分 紙面から]

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