大田、4番“奪うん打”!紅白戦初打席いきなり結果
◆巨人1軍紅白戦 白組2―1紅組=特別ルール=(12日・サンマリン宮崎)
巨人・大田泰示外野手(24)が12日、今季初の紅白戦(サンマリン宮崎)に紅組の「4番・中堅」で先発。初回2死二塁で西村の初球をタイムリーとし、4番奪取へ上々のスタートを切った。白組の「8番・捕手」で先発した相川亮二捕手(38)は2打数2安2打点だった。宮国椋丞投手(22)、今村信貴投手(20)はともに2回を完全投球で、先発ローテ入りへ猛アピールした。
快音を残し、痛烈なライナーが三遊間を抜けた。大田は4番の重圧に臆することなくフルスイングした。「初球を立ち遅れないように振っていける準備だけをして、打席に入りました。初球から打てているのは打ちにいけている証拠」。初回2死二塁、西村の内角シュートを左前適時打。4番候補が今季初実戦初打席の初球を捉え、巨人の“今季初得点”をたたき出した。
白組の阿部に対して紅組の4番に座り、結果を残した。「(4番を)意識しましたけど、しすぎると空回りしてしまうので、『自分の打席』だと思って集中しました」。4回先頭では宮国の内角シュートにバットを折られて遊ゴロに倒れたが、初球を積極的にスイング。「これからまだまだいろんな試合が続いていくので、継続していくことが大事」と気を引き締めた。
昨季はリーグ優勝決定後、第81代4番打者として2試合、初の大役を務めた。昨年の年俸は1125万円。「今まででも一番、給料の安い4番打者になったんじゃないかと思います」。最高の経験をしたからこそ、昔のように結果を求めて必要以上に自分を追い込むことはしない。「アピールしなきゃいけない立場ですが、自分に厳しくしすぎずに自分がやりたいことを辛抱強くやっていきたいです」。プラス思考で外野の定位置争いを勝ち抜き、真の4番になる決意だ。
キャンプ初の休日だった5日。野間口らとともに、ドラフト1位の岡本と食事に出掛けた。しゃぶしゃぶ、モツ鍋、トンカツを平らげながら「いろいろ大変なこともあると思うけど頑張って」とエールを送った。自らも松井秀喜氏の背番号「55」を背負い、見えない重圧と戦っていた。同じ右の大砲として期待される18歳を、激励せずにはいられなかった。
紅白戦が終わると、サンマリン宮崎で黙々と守備練習を行った。「キャンプを通してしっかりとやっていきたいです」と攻守でのレベルアップを宣言。プロ7年目。未完の大器が、ついに花開く時がきた。(中村 大悟)