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「放射線影響考えにくい」 県民健康調査 2巡目で甲状腺がん診断確定

福島民報 2月13日(金)11時52分配信

 東京電力福島第一原発事故による影響を調べる子どもの甲状腺検査で、1巡目の先行検査で「問題ない」とされた1人が昨年4月から始まった2巡目の本格検査で甲状腺がんと診断が確定したことについて、県の「県民健康調査」検討委員会の星北斗座長(県医師会常任理事)は12日の検討委で、現時点で放射線の影響は考えにくい―との見解を示した。
 福島医大の報告によると、本格検査でこれまでに1次検査の結果が確定したのは約7万5000人。血液や細胞などを詳しく調べる2次検査が必要な「B」判定とされたのは611人で、そのうち、がんと確定したのは1人、がんの疑いは7人。この8人は男性4人、女性4人で、事故当時6〜17歳だった。腫瘍の大きさは6〜17.3ミリ。
 8人は福島、田村、伊達、大熊、浪江にそれぞれ居住し、1巡目の先行検査では「問題ない」とされる「A」判定(「A1」5人、「A2」3人)だった。
 8人のうち6人については基本調査の問診票で事故後4カ月間の外部被ばく線量を推計でき、1ミリシーベルト未満は2人、1.5ミリシーベルト未満は3人、2.1ミリシーベルトが1人だった。
 手術を担当する福島医大の鈴木真一教授は8人の診断画像について、「甲状腺の学会で(多くの専門家に)全てを見てもらったが、検査での見落としはなかった」とし、超音波検査で映らなかったものが大きくなった可能性を示唆した。さらに、がんの発生頻度について「(これまでと)ほぼ同じ傾向」との認識を示した。星座長は「これまでの評価を変える必要はない」と述べた。
 本格検査で「B」判定とされた611人のうち、441人(72.2%)は先行検査で「A」判定(A1、A2)とされていた。
 先行検査では、甲状腺がんと確定した子どもは前回公表の10月31日時点の84人から2人増えて86人になった。がんの疑いは1人減って23人。1人は良性だった。

福島民報社

最終更新:2月13日(金)13時5分

福島民報

 

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