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【河村直哉の国論】
朝日慰安婦検証、これで幕引きか 「広義の強制性」強弁なぜ検証しない…朝日流「重く受け止める」の軽さ
長年の強弁姿勢
この「広義の強制性」が、慰安婦問題で要の点になっていることは論を待つまい。国家の関与がそこで俎上(そじょう)に乗せられ、批判され、「性奴隷国家」などという中傷を過去、現在、将来の日本国民に負わせる理屈の根拠となるのが、この「広義の強制性」なのだ。それを強固に主張してきたのは朝日であり、この点を玉虫色にしたままやりすごそうとしているのであれば看過できることではない。
故吉田証言が崩れ、慰安婦問題が議論される中で朝日は「広義の強制性」という強弁を持ち出した。平成9(1997)年3月31日の慰安婦特集紙面である。
「『強制』」を『強制連行』に限定する理由はない。強制性が問われるのは、いかに元慰安婦の『人身の自由』が侵害され、その尊厳が踏みにじられたか、という観点からだ」
同日の社説「歴史から目をそらすまい」もこう書いている。
「これらの主張(歴史教科書から慰安婦の記述を削除するよう求める主張)に共通するのは、日本軍が直接に強制連行をしたか否か、という狭い視点で問題をとらえようとする傾向だ。しかし、そのような議論の立て方は、問題の本質を見誤るものだ。資料や証言をみれば、慰安婦の募集や移送、管理などを通して、全体として強制と呼ぶべき実態があったのは明らかである」
これを第三者委は「議論のすりかえ」といっている。そしてそれを朝日側は「重く受け止める」といっているである。ならば、長年とってきたこのような強弁姿勢を修正する、なにがしかの言及があってしかるべきではないか。
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