原子力規制委員会が関西電力高浜原発3、4号機の審査合格を正式決定した12日、立地する福井県高浜町の住民は「再稼働が近づいた」「ありがたい。また一歩前進した」と歓迎した。
高浜町商工会の担当者は「町内の事業者からは、早く再稼働してほしいという声が多い。国の方針に従って、できる限り早く動かしてくれれば」と述べ、早期の再稼働に期待感を示した。
旅館業を営む高浜町薗部の岸本敏弘さん(55)は「町内の旅館には安全対策の工事に携わる作業員が大勢宿泊していたが、少なくなっている。やはり定期検査で集まる作業員が一番安定した宿泊客。安全が確保されたなら速やかに動かしてほしい」と話した。同業の時岡明秀さん(57)も、高浜町が大阪や京都などの都市部に電力を供給してきたのは誇りだとした上で「再び動けば地元経済が活性化され、町の雰囲気も明るくなるはずだ」と歓迎した。
一方、原発5キロ圏内に一部地域が入る京都府舞鶴市の職員らからは「安全性の確認が十分にされたのか」と不安の声が上がった。市民の中には原発事故に不安を感じる人も多く、市の担当者は「安全性に対する説明や、実効性のある避難計画が策定されなければ、再稼働には賛成できない」と規制委に注文を付けた。