卓上四季
天心の教え
明治期の思想家岡倉天心が晩年を過ごした茨城県の五浦(いづら)は、海と突き出した岩の織りなす荒々しい風景が目に焼き付いて離れない。既存の画壇と距離を置き、ここを自ら主宰する日本美術院の移転先にした。横山大観、下村観山、菱田春草…。時代を代表する革新的な画家が巣立った▼そんな姿が安倍晋三首相の脳裏によぎったのか。施政方針で農協改革の必要性について天心の「茶の本」から引いた。「変化こそ唯一の永遠である」と。首相は触れなかったが、天心の言葉はその前に「前にも破壊、後ろにも破壊」とある▼首相は「岩盤規制」破壊への強い意志を示したかったのだろう。なぜ今、岩を砕かなければならないのか。強い農業を創るためという。組織を見直せば、意欲的な農家がブランド化にも取り組みやすくなるそうだ▼岩盤があれば、安心する人もいる。岩を取り払っても、種が一斉に芽を出すとは限らない。厄介な「外来種」がはびこるかもしれない▼気になるのは農業産出額に対する農業予算の割合だ。先進国と比べても低い。「養分」が行き渡らなかったら、成長にも限界はあろう。首相が拳を振り上げても、視界が開けないと言う農家が多いのもわかる▼茶の本に、こんな内容の一節もある。<自分の事ばかり歌おうと琴を力任せに弾いても、良い音は出ない>。いかに相手の心を開かせるか。為政者の心構えにも通じる。2015・2・13
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