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【ポルトガル】「シティオ地区の展望台」漁師町ナザレ観光のハイライト!

ナザレ、と聞いても日本ではなじみのない地名ですが、実はナザレのシティオ地区にある展望台は、ポルトガルでも有数の夕陽を楽しむ絶景ポイントです。壮大な大西洋に落ちる夕陽を眺めながら、時間が経つのも忘れる圧倒的な夕暮れ時を過ごしてみませんか。

首都リスボンから北へバスで約2時間なので、ショートトリップにも最適。もちろん絶品シーフード料理も楽しみですし、最近ではサーフィンのビッグポイントとしても有名なのだとか。夏季には海辺のバカンスを過ごそうとヨーロッパ各地からやってくる観光客で、小さなナザレの街は大いに賑わいます。
シティオ地区展望台は、この崖の上!
ナザレのバスターミナルに到着して町の中心部へと歩き出すと、まず目に飛び込んでくるのが大西洋の海岸線に突き出すような断崖絶壁!「この崖の上にシティオ地区があります」とガイドブックに書いてあっても、あの上に街があるなんてホント?とちょっと信じられない感じがしました。
漁村ならではの風景
夏はバカンスを楽しむ人たちのパラソルがまぶしい浜辺ですが、その一角ではこんなふうに漁師さんたちの仕事を見ることができます。網の上に広げられたアジの開きを見つけた時は、あまりにも日本とよく似た光景で、本当にびっくりしました!このアジの開きは炭火であぶって食べるのですって。小さなイワシは、まるで煮干しみたい!その傍らには漁具を手入れしている漁師さんがいたりして、遠く離れた日本とポルトガルですが、同じ海の民なんだなあ……ととっても親近感を持ちました。
ナザレの歴史
それにしても、海岸から崖の上を見上げるたびに感じる疑問は「なぜあんな場所に町ができたんだろう?」
キーワードは「海賊」です!

この絵は欧州一帯で大暴れしていた海賊と英国軍との激突を描いたもの。特にアフリカ北部を拠点にしているバルバリア海賊はヨーロッパ各地の海岸線に襲来していて、ナザレでは海賊の略奪から町を守るために、海抜110メートルの崖の上に町を築いたのだそうです。

こんな静かな漁村の水平線に、凶悪な海賊の船団が姿を現したら……!「天高く馬肥ゆる秋」の海バージョンですよね。怖かっただろうなあ。

ついでにもう一つ疑問だったのが、ナザレという地名。イエス・キリストは「ナザレのイエス」と呼ばれているのだから、当然イスラエルの地名のはずだけど……?調べてみると、8世紀にこの地に来た修道士が携えていたマリア像が、イスラエルのナザレのものだったという言い伝えに起因するとのこと。
崖の下のプライア地区を散策しよう
波と遊んだあとは海岸沿いのメインストリート「レプブリカ通り」に戻りましょう。ずらりとホテルやお店が並んでいます。この通りのレストランは観光客向けという感じでした。

そして、街中で見かけるのが、伝統的な衣装に身を包んだナザレの女性たち。華やかなミニスカートを7枚重ねた、軽快なスタイルです。年輩の方でもスカートはこの短さなので、冬は寒そう?大丈夫、みんなハイソックスを合わせておられましたよ。
また、すでに配偶者を天国へと見送ったおばあちゃんたちは、黒一色の衣装を着るそうです。
石畳のプライア地区を散策しよう
レプブリカ通りから道を一本右側に入ると、ナザレに暮らす人々の生活が感じられるプライア地区です。海沿いのレプブリカ通りにはおしゃれなレストランが並んでいますが、地元の人も利用するレストラン、あるいは庶民的な食堂はこちら側。ナザレの飾らない雰囲気を味わうなら、ランチもディナーも路地側の店を選ぶべき!

実は私、リスボン発のバスの中に遠足気分でサンドイッチやらパステル・デ・ナタ(エッグタルト)やらをたっぷり持ち込み、満腹状態でランチタイムのナザレに到着してしまいました。これは完全に失敗です。こんな素敵な漁師の街へ来たのに、新鮮なシーフードを満喫するチャンスを1回逃すなんて……。ナザレにはぜひ、お腹ぺこぺこで乗り込みましょう!
石畳の美しいプライア地区は、路地と言っても危険な雰囲気はありませんでした。崖の下にあるケーブルカー乗り場まで、海を左にしながら歩いて行きましょう。このあたりは、まさに「迷子になりたくなる素敵な路地」が縦横無尽に走っていて、散策しているうちに「あれれ?」と現在地がよく分からなくなったりしたのですが……。
出会った地元の人に道を尋ねると、親切にニコニコと乗り場まで案内までしてくれました。

実はポルトガルでは、第2外国語はスペイン語かフランス語という感じで、観光案内所や駅、ホテル以外では「想像以上に」英語が通じません。でもナザレに限らず、ポルトガルで出会った人たちは本当に親切だなぁ、と旅のあいだ何度も感じました。
ケーブルカーで絶景を楽しもう
いよいよケーブルカーの駅に到着。近代的なケーブルカーは、たった3分で崖に上に到着しますから、シャッターチャンスを逃さないで!料金は往復2.40ユーロで観光客だけでなく地域の足として夜23時台まで運行しています。線路の横にはきれいに手入れされた階段があって(すごい角度!)、近道になっているのか、地元の人が普通に歩いていたりします。

■ケーブルカー(Ascensor da Nazaré)
住所:2450 Nazare
営業時間:毎日 7:15~24:00
料金:€2.40
シティオ地区は観光ムード満点!
崖の上には本当に街があります!ヴァスコ・ダ・ガマも訪れたという立派なノッサ・セニョーラ・ダ・ナザレ教会をはじめ、あまりにも普通の街が広がっているのでちょっと驚きです。シティオ地区の西側の広場に向かっておみやげ屋さんが軒をつらね、ナッツ売りなどの屋台や露店もずらりと並びます。品質はともかく、なによりチープな感じが可愛いので、ついつい色々覗いてしまいました。タイル「アズレージョ」は、1枚で鍋敷きとして使えるので、気に入った図案があればおみやげにもいいですね。まとめ買いすると重くなりますが……!もし冬に行くなら、ウールのショールなども良い記念になりそうです。ナザレの女性たちとお揃いですからね!

私が旅したのはオフシーズンの12月初頭ということで、シティオ地区もかなり閑散としていました。小箱のように美しいメモリア礼拝堂も無人……。でも温暖な気候で空気は澄んで明るく、人々はとても親切、なにより全体的にゆったりした雰囲気で、こんな静かな時期に来られて幸せ!と感じました。
日没を待とう!シティオ地区の展望台
「シティオ地区の展望台」は広場の端にあります。展望台というからには、灯台的なものかな?と想像していたのですが、実は広場の突端でした。真っ白な低い壁と作りつけのベンチの向こうは茫洋たる大西洋!眼下に広がるナザレの街の風景は、いつまで眺めていても飽きることがありません。

ちなみにナザレは、モノクロームの古いフランス映画『過去を持つ愛情』の舞台となっているので、機会があればチェックしてみてください。アマリア・ロドリゲスが歌う往年の名曲「暗いはしけ」もじっくり聴けますよ。
ここから眺める壮大な夕日の風景は、ため息しか出ません。ポルトガルはヨーロッパ大陸の西の端、夕暮れがとりわけ美しく感じられます。海風に吹かれながら浜辺を散歩したり、展望台で地元の人と一緒に日没を待つ……というゆったりした時間の流れをぜひ堪能してください。

私はいったんプライア地区へ戻って夕食をとり、暗くなってからもう一度ケーブルカーに乗りこの場所へ戻ってきたのですが、ぽつぽつ灯るナザレの夜景にじーんとしてしまいました!
ナザレのおすすめレストラン
絶対に食べたいアローシュ・デ・マリシュコ(魚介のリゾット)
展望台のあるシティオ地区は住宅地で、住人向けの個人商店くらいしかありませんので、食事をする店は崖の下のプライア地区で探しましょう。ナザレは漁師の街だけあって、特に路地裏にあるレストランや食堂はどこもハズレがなさそうな印象でした。

私が行ったのはプライア地区の「ア・タスキーニャ」というレストラン、というか食堂でした。とても感じの良い店で、12月だったのですいていましたが、あとで確認するとどうやらかなりの人気店。夏には行列ができるそうです。配膳してくれるおじさんたちも、とっても雰囲気が良かったです。

私が本当に感動したメニューは、arroz de marisco(アローシュ・デ・マリシュコ)という魚介のリゾット!定番のアサリやムール貝はもちろん、エビの半身やでっかいカニの爪まで入って本当に美味しい!なのに、たったの14ユーロ!
しかもこの写真は取り分けたあとのもので、元の器にはびっくりするほどの量が入っていました。他にも一皿8ユーロぐらいから、新鮮なシーフードが思いっきり楽しめます!

■A TASQUINHA(ア・タスキーニャ)
住所:Rua Adriao Batalha, 54, Nazare
ナザレ沖はサーフィンのビッグポイント
少し意外に感じますが、ナザレはここ数年、サーフィンのビッグポイントとして有名になっています。「世界のプレミアム・ビッグ・ウェイブ・ロケーション!」とまで称賛されるのは、ナザレ沖でなんと30メートルという巨大な波を乗りこなすサーファーが現れたから!その様子がYouTubeにもアップされています。50秒ほどの動画なので、ぜひチェックしてみてください。
トップシーズンのナザレの姿は「完璧なリゾート地」です!ヨーロッパではこちらの風景の方が一般的とのこと。いつも静かな漁村が人、人、人でごった返し、レストランにも長い行列ができるとか。当然のことながらホテルの宿泊費は数倍に跳ね上がり、たくましいおばちゃん達が切り盛りしている民宿も便乗値上げ。町全体が活気づく一番の稼ぎ時となるそうです。
ナザレへの行き方
シティオ地区展望台があるナザレに行くには、リスボンからだと安くて早い長距離バスが一番おすすめです。リスボンのセッテ・リオス・バスターミナル(Sete Rios Bus Terminal)でチケットを買ってバスに乗りこめば、ナザレには約1時間50分で到着、料金は片道11.50ユーロです。途中カルダス・ダ・ライーニャという街を経由しますが、そのまま座っていれば大丈夫。

リスボンからの始発は9時台~、ナザレからの最終は18時台が目安です。1日4~8便とバスの本数や運行スケジュールが季節や曜日によって違うので、必ず事前にバス会社REのサイトで調べるようにしましょう。

コインブラからはバスで1時間40分、13.30ユーロ。ポルトからはREバスターミナルから直通で3時間30分、コインブラで乗り換えの場合は4時間~4時間30分、16.90ユーロです。
ポルトガルのすみずみにまで路線を持つバス会社「RE社」のサイトで、運行スケジュールを調べることができ、チケット予約も可能です。英国旗マークをクリックすると英語表記に切り替えられます。
地図データ ©2015 Google, basado en Bcn IGN Espana
素晴らしい眺望を誇るシティオ地区の展望台は、ナザレ観光のハイライトとも言えます。夕陽にこだわらなければ、リスボンから日帰り観光もできますが、ナザレはポルトガルの素朴な風土を感じられる魅力的な場所なので、ぜひ1泊以上滞在することをおすすめします。

私は町の入口のペンサオンで1泊し、翌朝9時台のバスでリスボンに戻りましたが、「なぜ1泊で帰ってきてしまったんだろう、もっといればよかった!」と帰国した今も後悔しているくらい、心に焼きついているお気に入りの場所です。どうぞ素敵な旅にしてくださいね。
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奈良生まれの奈良育ち、現在京都在住です。海外放浪の末、アイルランドのダブリン、ゴールウェイに居住経験があります。 私の大好きな国々の魅力を全力でお伝えしたいと思います!
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