なぜ日本テレビ? 人気俳優の堺雅人(41)が日テレの4月クールドラマ「Dr.倫太郎」で、同局の連ドラに初主演することがこのほど発表され、業界は大騒ぎだ。特に視聴率40%を超えたあのドラマ「半沢直樹」を制作したTBSの上層部は、涙を流して悔しがっているとか。堺はなぜ“高視聴率代表作”を放送したTBSではなく、日テレに出ることになったのか?
堺は今、主演する来年のNHK大河ドラマ「真田丸」の撮影開始を今夏に控えている。「本来ならこの時期は1年間撮影が続く大河の役作りに充てるはず」とはある芸能プロ関係者。
そんな堺を動かしたのは日テレだった。同局にとって堺は、何としてでも獲得したい俳優だったという。
「日テレサイドは脚本に大ヒットドラマ『ドクターX』や『花子とアン』を手掛けた中園ミホ氏を起用することと、1話あたり破格の400万円のギャラを用意した。さらにクランクインを早めることで、堺のブッキングに成功したんです。ここまで日テレが堺にこだわったのは、7月クールに予定されている杏主演の『花咲舞が黙ってない』の続編につなげるためです」(テレビ関係者)
日テレは昨年、年間視聴率3冠を3年ぶりに獲得した。だが唯一、ドラマの平均視聴率だけがキー局で3位だった。今年は首位奪取が上層部からの至上命令。
社会現象となった堺の主演作「半沢直樹」やヒットした「花咲舞が黙ってない」はともに作家・池井戸潤氏の小説が原作で、高視聴率を叩き出している。「Dr.倫太郎」は中園氏のオリジナル脚本だが、日テレとしては是が非でも堺を起用して“池井戸イメージ”を強めたかったという。
「日テレとしては数字の取れないスペシャルドラマや海外ロケに制作費をかけるくらいなら、堺につぎ込んだ方が賢明という判断。4月と7月クールで数字を稼げれば、ドラマの年間視聴率のトップも手堅いですからね」(同)
連続3冠を手中に収めようとまっしぐらの日テレに対し、涙を流したのがTBS上層部だ。
「ここまでコケにされたら、堺を出禁にする?なんて話も出ている。この先のスケジュールを考えたら『半沢』の続編が制作できるのは来年の秋で放送は最短でも2年後。『Dr.倫太郎』の後は休みを取り、そのまま『真田丸』の撮影に突入するため、堺の体が空くのは早くて来年の9月初めになってしまう」(制作関係者)
堺サイドが出演をOKしても撮影は9月から。これでは、確かにオンエアは2017年の1月になってしまう。
「しかも、堺は『半沢』の共演者が再び一堂に会することを要求している。香川照之や片岡愛之助、また脇を飾った吉田鋼太郎や石丸幹二、手塚とおるらは押しも押されもせぬ人気俳優。彼らを押さえるだけでも至難の業なんです」(同)
これでは「もはや続編は不可能」との声が出ても不思議ではない。
まさかの堺の決断にTBS局内は蜂の巣をつつくような騒ぎに。ダメ押しとなったのが、堺と同じ事務所に所属するフリーの女子アナ夏目三久の存在だったという。
「TBS内では『あさチャン!』の視聴率低迷を理由に夏目降板説が飛び交っている。一方の日テレは『真相報道バンキシャ!』で夏目を起用するばかりでなく、この4月からの新番組でもMCとして起用する案が浮上している。その辺の事情もあったようです」(関係者)
業界内外が注目するドラマ「Dr.倫太郎」。初回視聴率は果たして何%をゲットするのか。
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