栃木県特産のイチゴを使った「イチゴふりかけ」を、佐野短期大学の小柳津周(おやいづまこと)教授(61)が開発した。乾燥イチゴを粉末にしてイチゴの種、しょうゆの粉末、小松菜、昆布、青のりなどを混ぜた。時々イチゴの風味を舌が感じる不思議な味で、海外での商品化も視野に入れている。

 小柳津教授の専門は食品学。総合教育キャリア学科で栄養士を目指す学生に教えている。今までかんぴょうの実のジャム、とちの実のパンなどを開発してきた。今回のふりかけの発想は「ぱっと浮かんでぱっと作った」という。

 ふりかけの開発は、イチゴの国際競争力を高め産業と地域の振興を図っていこうと昨年、県や県商工会議所連合会、JA、足利銀行などが連携して始めた地域イノベーション戦略支援プログラムの一環。県内の各大学で、イチゴの加工品の研究、開発が進められている。

 「イチゴは生で食べるのが一番おいしい。そこからイチゴをどう進化させ、世界に通用するものを作っていくか」と小柳津教授。ふりかけに使うイチゴは市場に出ない形の崩れたものでも構わない。今までは廃棄したり、ジャムにしたりしていたが、ふりかけに応用できれば作り手側も多様な栽培が可能になるというのが小柳津教授の考えだ。

 お茶漬けや、サラダにかけるフリーズドレッシング代わりにもなる。持ち運びにも便利だ。成分分析や市場調査、販路開拓など商品化に向けて様々なハードルはあるが、小柳津教授は「イチゴの関連商品を売り出し、栃木の地位を揺るぎないものにしたい。日本だけでなく、世界に進出していってほしい」と商品化に期待を寄せている。

 問い合わせは佐野短大(0283・21・1200)へ。(佐藤太郎)