トップ > 一面 > 記事一覧 > 記事

ここから本文

一面

イスラム、望みは平和 名古屋の街頭、信者ら訴え

平和を呼び掛けるパンフレットを配るイスラム教徒の子どもたち=7日午前、名古屋・名駅で(畦地巧輝撮影)

写真

 過激派組織「イスラム国」を名乗るグループによる日本人人質事件で、イスラム教徒への偏見と誤解が広まる不安が高まっている。愛知県津島市にある日本アハマディア・ムスリム協会の信者らが七日、名古屋駅前で「平和を望む気持ちを分かって」と、正しい理解を訴えるキャンペーンを始めた。「イスラム国」の呼称を変更することも求めている。

 愛知県内のイスラム教徒や支援者ら十五人が「誰も憎まず、全ての人に愛を」と書かれた横断幕を掲げた。この日のためにイスラム教の教えを解説したパンフレットも作り、配布した。表紙に「止めようイスラム国」とうたった。

 街頭に立ってキャンペーンに踏み出したのは、東海地方のモスク(礼拝所)に嫌がらせが相次ぐため。「憎しみが広がらないように、日本人と一緒に歩んでいきたい」と日本本部長のアニース・アハマド・ナディームさん(36)。協会には励ましの声が届くが、念のため事前にインターネット上で活動場所を告知するのは控えたという。

 名古屋市名東区の中学二年アハマド・ムサワル君(14)は、同級生に「イスラム教はテロばかりしている」と言われて傷ついた経験がある。「二度と事件が起こらないよう毎日祈っている。正しい教えを広げたい」と話し、通行人にパンフレットを配った。

 受け取った同県春日井市の主婦伊藤さと子さん(49)は「パンフレットをツイッターに載せ、みんなに考えてもらいたい」。岐阜市の大学生島部雅也さん(21)も「風評被害を防ぐためにも、いい運動だと思う」と話した。

 横断幕を手にした同県小牧市の大学生モアザモ・ベーグさん(20)は「イスラムの教えとかけ離れた事件を起こしているので、『イスラム国』という呼び方を変えてほしい」とも求めた。この日は名古屋・栄や金山でも街頭に立つ予定。協会は今後、東京など全国でも活動を計画している。

 

この記事を印刷する

中日新聞・北陸中日新聞・日刊県民福井 読者の方は中日新聞プラスで豊富な記事を読めます。

新聞購読のご案内

PR情報

地域のニュース
愛知
岐阜
三重
静岡
長野
福井
滋賀
石川
富山

Search | 検索