難航する日本代表監督問題とともに“もう一人の監督”探しも紛糾している。日本サッカー協会は八百長問題で更迭したハビエル・アギーレ前監督(56)の後任候補探しに奔走中だが、次戦に予定される国際親善試合チュニジア戦(大分)が3月27日に迫っている。今後の交渉の展開次第では代行監督が指揮を執る可能性もあるが、その人選をめぐっては意外な人物の名も浮上している。
次期監督の招聘にあたっては、前イタリア代表監督のチェザーレ・プランデッリ氏(57)や元イングランド代表監督のグレン・ホドル氏(57)ら大物が次々に就任拒否の姿勢を表明。日本協会とは無縁の代理人による売り込みの失敗から明るみに出た話とはいえ、難航を予想させる展開となっている。霜田正浩技術委員長(48)が渡欧して後任候補の本格的な選定作業に入ったが、まだまだひと山もふた山もありそうな状況だ。
3日に行われたアギーレ前監督の解任発表会見で同協会の大仁邦弥会長(70)は、次期監督の決定について「3月の試合に間に合わせたいが、それに合わせてこのへんにということはしない」と強調。拙速に後任を決めることはせず、3月に行われるチュニジア戦とウズベキスタン戦(31日、東京)は代行監督が指揮を執る可能性も示した。
だが代行監督を置くとしても、そちらの人選も一筋縄ではいかない。
「やはり協会の人間がやるのが筋だろう。ザックさんの時に原(博実専務理事=56)さんがやったように技術委員長がやればいいのでは。あとは(木村)浩吉(技術委員=53)さんとか。あとは昨年までU―19を率いていた(鈴木)政一さん(60)くらいじゃないか。Jの監督をその場だけ駆り出すのは失礼でしょ」とJクラブ関係者は話す。
今回の代表監督問題ではJリーグの監督の“引き抜き”はしないことが確認されているが、代行監督についてもその方針にならうかは未定だ。とはいえ、3月の代表戦と日程が重なるナビスコカップ予選リーグに出場するチームの監督に指揮は無理。日程面では可能なアジアチャンピオンズリーグ(ACL)出場クラブの監督に対しては“代打”扱いでのオファーには慎重論もある。
そのため霜田委員長を筆頭にした協会サイドの人脈による人選が基本線となる。だが、そうすると今度は代表チームを率いるのに適任なのかという問題が浮上してくる。いずれの候補も卓越した指導実績があるとは言いがたいからだ。
そこで「岡田(武史=58)さんというのもあるかも…」と同関係者が指摘するように、2度のW杯指揮経験を誇る名将が急浮上。“スクランブル登板”には慣れており、今回も2試合限定とはいえ、代表の窮地を救う存在になると注目されているのだ。
6月のW杯予選前最後の実戦となる舞台で代表を指揮しているのは、果たして誰なのか。
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