静岡県牧之原市議会は26日、隣接する御前崎市にある中部電力浜岡原子力発電所について「確実な安全・安心が将来にわたって担保されない限り、永久停止にすべきである」とする決議案を賛成多数で可決した。決議を受け、西原茂樹市長は議場で「市民の安心・安全のため、永久停止は譲れないと強調したい」と発言した。
牧之原市は浜岡原発から10キロ圏にあり、中部電と安全協定を締結している。同協定を結ぶ地元4市(御前崎、掛川、菊川、牧之原)で「永久停止」を求めるのは牧之原市議会が初めて。
浜岡原発は、菅直人前首相の要請で全炉運転停止中。運転再開のハードルは高まる見通しだ。
採択は、議長を除く議員16人のうち、賛成11、反対4、欠席1。可決した瞬間、傍聴席から拍手が起きた。
牧之原市では、市が実施した市民意識調査で、浜岡原発の「停止」か「廃炉」を求める意見が6割を占めた。市内に工場を持つ自動車メーカーのスズキも原発リスク回避策として、工場の一部機能を市外に移転することを検討中だ。
中部電は浜岡原発の津波対策として22日に防波壁(高さ18メートル)の本体準備工事に着手。来年12月の完成を目指している。(竹田和敏)