インターネットで知り合った彼女に会いに行ったら、男が出てきて現金を脅し取られた−。大学生が、中学2年の女子生徒らに「美人局(つつもたせ)」の手口で30万円を恐喝される事件が起きた。事の発端は、チャット仲間を探せる「出会いアプリ」に登録したことだった。同様のアプリは若者の人気を集める一方、ネットトラブルの低年齢化を招く危険性もある。背景には、見知らぬ人とのコミュニケーションを求める若者心理がありそうだ。
事件は昨年10月21日。福岡県大牟田市の中学2年の女子生徒が、出会いアプリで知り合った大学3年の男子生徒(20)を、東京都新宿区のファミリーレストランに誘い出したことから始まった。
席で話していると、女子生徒と同居する交際相手の無職男=当時(19)=が突然現れ、「人の嫁に何したんだ」などと脅迫。モデルガンを見せるなどして、現金30万円を脅し取った。
男子学生は後に警視庁に被害届を提出。今年1月に恐喝容疑で2人が逮捕された。2人はほかにも計4件の恐喝や恐喝未遂を繰り返したと供述しているほか、別の大学生からも「性行為をする直前に男が現れて脅され、3万7千円を脅し取られた」との被害届が出されており、警視庁が関連を調べている。
「援助交際を装えば金をとっても通報されないと、友人から聞いた」。警視庁の調べに、少女はこう話しているという。
今回の事件で女子生徒と男子大学生が知り合うきっかけとなった出会いアプリは「友達募集掲示板アプリ」とも呼ばれ、これらを紹介するあるサイトでは、400件以上のアプリが並んでいた。
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