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【社会】

9条への思い 結集を 平和賞へアピール

憲法9条のノーベル平和賞受賞を目指し開かれた集会=12日、東京・永田町の衆院第1議員会館で

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 市民団体「憲法9条にノーベル平和賞を」実行委員会(事務局・相模原市)は十二日、東京・永田町の衆議院第一議員会館で集会を開いた。昨年に続き、今年のノーベル平和賞候補に「憲法九条を保持している日本国民」をノーベル賞委員会に推薦したことを報告。「思想や政党、宗教などあらゆる違いを超え、九条を守るため力を合わせよう」と訴えた。

 実行委メンバーのほか、米国出身の映画監督ジャン・ユンカーマン氏、推薦状に名を連ねた国会議員らが参加。活動を発案した主婦鷹巣(たかす)直美さん(38)は「世界中の人が平和に生きる権利を確認している日本国憲法は素晴らしい」と述べ、「九条を守ることは命を守ること」と強調した。過激派組織「イスラム国」が日本人らを殺害したとする映像を公開した事件にも触れ、「人々をテロに駆り立てる差別や不満、怒りなど、心の中から出てくるものを、武力や軍事力では解決できない」と訴えた。

 平和賞の受賞対象は個人か団体。「日本国民」は対象外との指摘がある中、実行委共同代表の石垣義昭さん(73)は、日本国民が九条を保持してきたとした上で、「先の大戦で日本の侵略行為により犠牲者を出した。この痛恨の思いを忘れないためにも受賞者は日本国民でありたい」と述べた。

 一方、国内外で「九条の会」や鷹巣さんなど、特定の団体や個人を推薦する動きも。神戸市のグループは受賞対象をあえて特定せず、「日本で九条のために取り組む団体」を候補として、百人超の大学教授らの推薦を集めた。実行委はこれらの動きについて「九条の精神の共有」につながると歓迎している。

 実行委によると、推薦人は最終的に衆参両院の国会議員六十一人を含む八十四人になり、九日現在で賛同の署名は累積で四十八万九千筆を超えた。 (寺岡秀樹)

 

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