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ピエロの涙の理由


昨日テレビでシルク・ドゥ・ソレイユ KOOZAのPR番組をメシを食べながらちら見していた。そこで、あれ「なんでピエロって涙のメークアップをしてんの?」って思ってちょっと調べてみた。そしたら意外と深イイ話だったので、ちょっと人に教えたくなった。

ピエロとは道化師と同じような意味にとられていますが、本来道化師のことはクラウンといいます。スペルはCLOWN。王冠のクラウン(CROWN)とは違います。ピエロはそのクラウンの一つである「悲しみを表現した道化師」のことをいいます。クラウンの中でも「ピエロ」はフランスの喜劇芝居の中には必ず登場しました。「おどけ役」のうちのひとつで、「馬鹿にされるひと」といわれるものです。イタリアに近い地方ではアルルカン、トレッキーなどいう名でも呼ばれていたようです。

ではなぜピエロは涙のメークをしているのか?調べたところ2つの説があり、恋愛篇と伝説篇がありどちらを信じるかはあなた次第です!

説1 恋愛篇

ピエロが流した涙、今日はそんなお話です。ピエロはいつもみんなに笑われていました。
でも、どんなに馬鹿にされようとも、みんなに笑顔を配ることが出来る、そんな自分に誇りを持っていました。

もちろん、ピエロも一人の男の子。
悲しい気持ちになることもあれば、楽しい気持ちになることもあります、それに当然、恋だってします。
そして、ピエロはある一人の女性に片思いをしていました。
彼女に会えることを至福の喜びとし、彼女と遊ぶ時間をとても大切にしていました。
ピエロは彼女の笑顔が大好きでした。
そして、彼女に笑顔を与えられる自分も大好きでした。

あるときのことです。
ピエロは彼女に相談を持ちかけられました。

片思いの男性がいるのだが、どうすれば良いか解からないと。
ピエロは悩みました。
彼女を励ますべきなのか、それとも自分の気持ちを打ち明けるべきなのか。
そして、悩みに悩んだ末、ピエロは彼女を励まし、勇気付けることにしました。

一人の男である前に、自分はピエロであるという事を選択したのです。
自分の気持ちを打ち明けてしまうと、彼女は困るかもしれない。
それは彼女の笑顔を奪うことに繋がるかもしれない。

笑顔を与えることに誇りを持ち続け、そしてそれが自分の、ピエロの役目だと思ったからです。
それに、やっぱり彼女の笑顔が大好きだから。

数日後。
彼女は手を取りながら笑顔でその彼を連れてきました。
どうやらピエロの励ましにより勇気を出した彼女は、その彼を射止めることに成功したようです。
嬉しそうにお礼を言う彼女に、ピエロは笑いながら一言、「良かったね」と伝えました。
ピエロは最後まで弛まぬ笑顔を送り続けました。

自分の気持ちを胸にしまい、次の日から一粒の涙をメークするようになりました・・・・

説2 伝説のピエロ篇

ピエロ発祥の19世紀フランスでは体制批判を含む出し物、
セリフのあるものは弾圧の対象となりました。

そこで芝居などはセリフを無くしてパントマイムで表現される物が多かったそうです。
ピエロはそんな時代のフランス喜劇芝居に登場するクラウン(おどけ役)の役名のひとつでした。

これを当時の役者バチスト・ドビュローが劇中のキャラを独立させ、
単独で演じたことから「ピエロ」という名前が定着しました。

このドビュローが演じた「しゃべらずパントマイムで表現するピエロ」が、
その後もピエロの特徴として残っているのです。
ですから喋ってしまったらそれはもうピエロではないということですね。

そんなドビュローも引退の時がきました。
引退公演の際、カーテンコールで鳴りやまない拍手と喝さい。

その時、けして劇中では、しゃべらなかった彼が声を出して、
涙を流しました…

それを見ていた後輩ピエロたちがドビュローにあやかろうと
次の日から片目に涙のメークをして舞台に立つようになりました。

ドビュローは伝説になり、
涙はメークはピエロのトレードマークになりました。

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