メリルリンチ:IPO市場、日経平均2万円に上昇するか鍵に
(ブルームバーグ):米バンク・オブ・アメリカ(BOA )は、ことしの日本の新規株式公開(IPO)市場が活発化するかどうかは、日経平均株価 が2万円程度まで上昇するかが鍵を握るとみている。
BOA傘下のメリルリンチ日本証券で株式や債券引き受けを含む企業の資金調達業務を統括する林礼子・資本市場部門長は2015年のIPO市場について、「株価が1万8000円-2万円程度に上がればIPOの需要が増えると期待している」と述べた。特に投資ファンドなどの出口戦略関連がけん引する可能性があるとの見通しを示した。
林氏は株価が上昇していけば、投資ファンドなどが出資する企業で大型の上場案件が出てくる可能性があると述べた。IPOが活発化すれば、引き受け業務の獲得を通じた手数料収入の拡大などが期待できる。メリルリンチはすかいらーく 、西武ホールディングス の再上場案件などを手掛けた。
ブルームバーグ・データによると14年の日本株公募・売り出し関連でメリルリンチは9件・2034億円、シェア6.3%の7位。昨年の最大案件となったジャパンディスプレイ、リクルートの2件を獲得、外資系ではゴールドマン・サックスの6位(6.6%)に次ぐシェアを占めた。1位は野村ホールディングスの29.5%だった。
ブルームバーグがまとめたストラテジスト、運用担当者ら13人による今年末の日経平均の予想中央値は2万円。2万円超えを予想するいちよしアセットマネジメントの秋野充成執行役員は、その理由として「世界的な中銀の緩和政策による過剰流動性の拡大や米景況感が好調であること」を挙げた。さらに、日本では「円安・原油安で輸出企業を中心に好調な企業業績が予想されている」との見方を示した。
12日の日経平均株価は日中ベースで、およそ2カ月ぶりに一時1万8000円を回復した。
林氏はメリルリンチが昨年10月に新設した初代の資本市場部門長。「外資系である当社の強みはグローバルコネクティビティ。私が今のポジションにいる意味は、株式、債券の区別なく最適の調達手段を顧客に提供するためだ」などと述べた。
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更新日時: 2015/02/12 13:27 JST