甲状腺検査:福島の子ども1人がんと診断 疑いは7人

毎日新聞 2015年02月12日 20時41分(最終更新 02月12日 23時14分)

 東京電力福島第1原発事故の影響を調べるため福島県が子どもを対象に行っている甲状腺検査で、同県は12日、2巡目の検査で1人ががんと診断されたことを明らかにした。昨年4月からの2巡目の検査でがんが確定したのは初めて。福島市内で同日あった県民健康調査の検討委員会で報告された。

 診断は昨年末現在。約7万5000人の検査結果が判明し、他に7人が「がんの疑い」とされた。8人は事故当時、6〜17歳だった男女としたが、個別の性別や年齢は明らかにしていない。いずれも、1巡目の検査(2011年10月〜昨年12月)で異常がなかった。

 同委員会の星北斗(ほし・ほくと)座長は記者会見で、「原発事故との因果関係はないとは言えないが、『考えにくい』というこれまでの評価を変えるものではない」と述べた。

 1巡目の検査は、当時18歳以下の対象者約37万人のうち約30万人が受け、甲状腺がんが確定したのは86人で、その疑いがあるのは23人だった。2巡目の検査は15年度まで実施する。【小林洋子】

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