日銀委員に原田氏起用は量的緩和の援軍 6月人事成功なら盤石に (1/2ページ)

2015.02.12


原田泰氏【拡大】

 政府は、3月25日に任期が満了する日本銀行の宮尾龍蔵審議委員の後任として、早稲田大学教授の原田泰(ゆたか)氏を起用する人事案を提示した。

 原田氏は、内閣府(旧経済企画庁)出身で、大和総研チーフエコノミストなども務めてきた。筆者は、役人時代から原田氏を知っているが、通説にはとらわれないで、常にしっかりとした自分の考え方を説明できるエコノミストだった。その経済見通しもなかなかのものであったので、信頼できる人だ。

 リフレ(デフレを脱却してゆるやかなインフレを目指すこと)の考え方も、前から一貫しており、ぶれない。筆者が2001年に米プリンストン大学から帰国し、バーナンキ教授(のちのFRB議長)らの考え方を説明すると、いち早く理解した人だった。

 今回の人事提案は、アベノミクスの柱の一つがまったくぶれていないことを示している。周知のように、アベノミクスは(1)金融政策(2)財政政策(3)成長戦略と3つの「矢」がある。(2)の財政政策では、昨年4月からの消費増税という間違った方向に手を打ってしまった。幸いなことに、今年10月に予定されていた2回目の消費増税はすんでの所で回避されたが、1回目の増税のミスは大きかった。(3)の成長戦略では、さまざまな岩盤規制にぶち当たっており、突破は容易ではない。

 ところが、(1)金融政策では、考え方が首尾一貫している。2年前、執行部3人をアベノミクスに理解のあるリフレ的な人に入れ替え、日銀の主導権を握った。しかし、まだデフレ指向のある旧日銀の体制での審議委員が6人いる。昨年10月の量的緩和2弾では、そのうち2人が賛成したものの、4人は反対で、結局、5対4で薄氷を踏んでかろうじて金融緩和ができた。

 

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