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2015-02-12

[]実質賃金と経済外的勢力 実質賃金と経済外的勢力を含むブックマーク

 昨日twitterでつぶやいたものを以下に。岩田副総裁の講演録抜粋の補遺。

 僕の考える実質賃金の下方硬直性の由来については、詳細では『日本型サラリーマンは復活する』(NHK出版)を読んでほしいのですが、簡単にいうと一種の公平賃金で考えています。つまり非正規雇用や求職意欲喪失者や高校や大学の就職を探している人たちの「経済外的勢力」の低さを問題にします。経済外的勢力は、簡単にいうと社会的な評価ですね。

 彼ら彼女らは「経済外的勢力」が低いために、正社員たちの享受する「公平賃金」を得ることができないのです。デフレはこの非正規雇用や求職意欲喪失者、学生たちの「経済外的勢力」をさらに低め、他方で公平賃金割るところの物価水準である実質賃金は上昇します。これが失業を生み出すのです。

 デフレを脱却することは、この実質賃金を一時的に緩和することで、失業を解消し、同時に学生たちや雇用から排除されてたパート労働をしたい主婦たちの「経済外的勢力」を高めることで雇用状況をトリクルダウンではない形で改善するのです(ちなみにトリクルダウン=悪ではないのでよろしく!)。

 僕の話は、岩田先生の講演と矛盾しない話ですし、詳細にはさきほどの拙著を読んでください(130字の羅列で理解したと思うのは間違いです)。またここに僕の考えが日本の経済学の歴史から来たものだとわかる小論説(『エコノミスト』に掲載された)を。

 http://real-japan.org/%e9%ab%98%e7%9%b0%e4%bf%9d%e9%a6%ac%e3%81%a8%e7%8f%be%e4%bb%a3

日本型サラリーマンは復活する (NHKブックス)

日本型サラリーマンは復活する (NHKブックス)

[][]曽野綾子的なる旧来型保守の「貧困」観をめぐる対談(古谷経衡&田中秀臣) 曽野綾子的なる旧来型保守の「貧困」観をめぐる対談(古谷経衡&田中秀臣)を含むブックマーク

 曽野綾子氏の発言をめぐってここ数日議論が盛んである。

 産経新聞曽野綾子のコラムがすごい。移民受け入れを進めろと言いながら居住区は人種で分けた方がいいと。 - Togetterまとめ” http://htn.to/v6AqGHpFc

曽野綾子さんの産経新聞コラムがゲスすぎて大炎上 - NAVER まとめhttp://htn.to/L8EpLo

産経新聞曽野綾子のコラムがすごい。移民受け入れを進めろと言いながら居住区は人種で分けた方がいいと。 - Togetterまとめ” http://htn.to/v6AqGHpFc

 

 古谷さんの著作『若者は本当に保守化しているのか』(アスペクト)を記念して行った特典対話が、まさに曽野綾子氏の著作『貧困の光景』や曽野綾子的な貧困観について議論しています。

 特典なので書籍購入者が中心ですが、よく考えていただければパスワード二文字さえふつうに推理すれば聴くことができます。できれば古谷さんの代表作なので読んでいただければ、我々の共通する考えがより鮮明にわかると思います。

http://www.aspect.co.jp/furuya_special-offer/

若者は本当に右傾化しているのか

若者は本当に右傾化しているのか

貧困の光景 (新潮文庫)

貧困の光景 (新潮文庫)

[]戦前の日本における公害研究文献メモ 戦前の日本における公害研究文献メモを含むブックマーク

 自分のための備忘録。足尾銅山関係や個々の工場内環境についての研究は膨大なので省略。ただ足尾銅山関係に興味のある読者のために文献を一冊だけ最後に紹介。

宮本憲一「日本公害史論序説

http://www.biwako.shiga-u.ac.jp/eml/Ronso/382/miyamoto.pdf

宮本憲一「大阪の公害・環境史に学ぶ」

http://www.city.osaka.lg.jp/somu/cmsfiles/contents/0000041/41990/19.pdf(目次のみ)

調査と資料〈第16号〉戦前昭和期大阪の公害問題資料 (1973年)

関一はきわめて重要な人物。経済学関係でもマーシャルやドイツ歴史学派、日本の社会政策学会との関係など。まだ読んでないが英語文献で以下がある(日本の研究文献もそれなりにある。

足尾銅山問題と田中正造については最近では以下がわかりやすい。

日本人は何を考えてきたのか 明治編―文明の扉を開く

日本人は何を考えてきたのか 明治編―文明の扉を開く