過激派組織「イスラム国」に殺害された後藤健二さんが、ヨルダンで収監されているサジダ・リシャウィ死刑囚との交換のため、1月29日にトルコ国境まで来ていたと、3日の複数のメディアが報じた。
後藤さんはイスラム国の収容施設を転々とさせられたあと、交換の交渉期限の29日までにトルコ国境のタルアビアドに移された。ヨルダンからは女死刑囚も国境まで移送されていたが、土壇場で交渉が決裂。後藤さんは再び国境地帯から収容施設に戻された。
交渉が決裂した理由はヨルダン側が拘束されている軍パイロットの生存の証拠を求めたのに対し、イスラム国側が拒否したためという。ヨルダン側は29日夕方、モマニ・メディア担当相がパイロットの生存の証拠が示されるまで、死刑囚の釈放に応じられないと声明を出している。ただ、ヨルダン側は死刑囚の移送は否定している。
今回の人質交換交渉にはイラク最大スンニ派部族ドレイミ族が仲介していたとか、交渉が破談になったのはイスラム国の内部で意見統一ができなかったためなど、情報が飛び交っている。隠された真相がまだまだあるようだ。