ロボットの「心」はひとつか?
—— 先生は、ロボットにも「心」は生まれるという話をつねづねされています。ぼく、その心が、OSとハードウェアに分かれているのか、それとも、分かれていないのかが気になっているんです。
石黒 分かれていますね。ひとつにすることは、今の技術ではできない。人間の心は分かれていないんですよね。人間っていうのは、脳の中のソフトウェア的な情報処理が、時間が経つと、ハードウェアの構造——というか、脳のシナプスに影響を与えて、長期的な記憶が生まれたり、脳の構造そのものを変えたりしているんです。
—— ハードウェアを発達させて、どうにかしてできないんですか?
石黒 そこまでのデバイスはまだつくれないですね。今のIC技術を使っている限りは難しそうな気がします。全体がプログラマブルなハードウェアを作ることができるなら、かなり人間の脳に近い構造を持たせることのできる可能性もあるんですけど、そこまで行くかどうかはまだちょっと微妙で……ただ、一つだけ。ディープ・ラーニングってご存知ですか?
—— あまり詳しく知らないんですが、人工知能をプログラムするときのテクニックですよね。
石黒 少し前から画像処理や音声認識はパソコンでできるようになってきましたが、それがさらに発達してきていて。今、音声認識がものすごく精度がいいじゃないですか? これは、ディープ・ラーニングという非常に人間に近い処理をやっているからなんです。
ここで話されていることは、今後もこの連載で非常に重要になってくるキーワードなので、ちょっと詳しく説明しておきましょう。
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