原監督、大田に“4番挑戦権”「はい上がれ!つかみ取れ!」
巨人・原辰徳監督(56)が11日、大田泰示外野手(24)に「4番挑戦権」を与えた。12日に行われる今キャンプ初の紅白戦で、大田は紅組の「4番・中堅」で先発予定。「紅白戦で結果を出せば、オープン戦でも」と、指揮官は4番の継続起用を示唆しつつ、その座は与えられるのではなく、自らつかみ取るように指令した。白組の4番には阿部が座る。高い壁だが、臆せずに挑んでいく。
打撃ケージの後ろから、食い入るように見つめた。破壊力抜群のインパクト、確実性の増したバットコントロール。原監督は、大田の成長ぶりに目を細めた。中井、小林らと行った全体練習後の特打。
「この3人が中心になったら楽しみだよな。脂が乗ってる。カツオだったら戻りガツオだよ」
独特の言い回しで、期待を掛けた。
中でも注目すべきは、大田だ。オフの間から「今季の4番候補」として名前を挙げ、この日も「良くなったよ」とうなずいた。練習での打ち損じが少なくなり、右中間方向への打球も飛距離が伸びている。あとは、実戦で結果を残すだけだ。今季、4番の大本命には阿部、そして村田、長野も控えるが、大田にも挑戦権を与える方針を決めた。
「まずは、はい上がること。つかみ取らないと誰も納得しないよ」。12日の紅白戦初戦。大田は紅組の「4番・中堅」で先発する。これは指揮官が決めたことではなく、川相ヘッドを中心にコーチ陣が抜てきしたものだ。「今回はオーダーとか守備位置とかに関しては任せている。俺は全員をフラットに見てみたいから」と原監督。大田の4番としての適性の見極めも重要なポイントで「もちろん、紅白戦で結果を出せばオープン戦でも」と、4番の継続起用を約束した。
今キャンプ、大田は精力的に動いている。特打の後、外野での特守に移り、打球への入り方、グラブの出し方を練習した。それが終わると木の花ドームでマシンを相手に打ち込んだ。「明日がすべてではないですが、それくらいの意気込みでやっていきたい。しっかり準備はできている。今やっていることを、いかに出せるか」と大田。「打撃だけでなく、守備でも走塁でも常にアピールしたい」と言葉を継いだ。
12、13、そして15日の紅白戦3試合(サンマリン宮崎)の結果により、16日からの第2次キャンプ地・沖縄行きの切符が与えられる。「キャッチャーは3人か4人。他の各ポジションは2人ずつかな。少し厳選していく」と原監督は説明した。大田に求めているのは1軍残留ではない。4番奪取へ「はい上がること。つかみ取ること」だ。ハードルは高いが、越えられる逸材だからこそ、期待している。(水井 基博)