【DeNA】東野、2回完全もキヨシ一蹴!「野性味もっと」
◆紅白戦 白組2―0紅組=特別ルール=(11日、沖縄・宜野湾)
今季からDeNAに加入した東野峻投手(28)=オリックス=が11日、紅白戦で初先発し、2回をパーフェクトに抑えた。ストライクを先行させるテンポのいい投球で1軍生き残り、先発ローテ入りへアピールした。しかし、中畑監督は「もっと野性味あふれる投球を」と、あえて辛口の評価。巨人時代の10年に13勝を挙げ、翌11年の開幕投手を務めた実力はこんなものじゃない、と叱咤(しった)した。
一番、欲しかった結果をつかんで、東野は大きく息をついた。
「初めての実戦ということを考えれば、うまくいったかな、と思います」
白組の先発として2回を無失点。経験と実績の詰まった右腕をしならせ、楽々と相手打者を料理した。
先頭・桑原を1球で遊飛に。「自分の立場で考えれば、結果を残すしかない」。初回は、たった8球で3者凡退。2回には主将で4番、侍ジャパン候補でもある筒香に対し、フルカウントから内角低めにスライダーを投げ、空振り三振に仕留めた。
巨人時代の10年、13勝(8敗)を挙げ、翌年は栄えある開幕投手を務めた。だが、その後は下降線をたどり、13年のシーズンからオリックスに。新天地でも不振から脱出できず、昨オフ、戦力外通告を受けた。トライアウトで拾ってもらったDeNAの恩に報いるために、投球に工夫を加えた。
「フォークです。自分の中では群を抜いて『最下位』の球種ですが…」。新天地では「どこでも投げる」と誓い、1球で相手を打ち取れる球を模索した。上原(Rソックス)、平野佳(オリックス)に教わったこともある変化球。今キャンプで最も時間を割いて練習してきた。かつてはフォークを捨て、チェンジアップに生命線を求めたが、筒香の後、新人・倉本を遊ゴロに仕留めたのは、この球だった。
1軍生き残りへ必死の右腕。しかし、中畑監督は満足していない。「『結果を出さなきゃ』という気持ちが強過ぎるのかもしれない。もっともっと、野性味のある投球ができる。打たれても、中身に説得力があれば評価するよ」。東野は先発5、6番手の当落線上にいる。ハートの強さを買い、指揮官は救援起用も視野に入れている。もっともっと力を出せる―この日の最速は137キロ止まりだったが、背番号00への期待値が高いからこそ、指揮官の要求は高い。(長田 亨)