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【国際】

「国民が知らねばならぬこと語った」 ワイツゼッカー氏追悼式典

ワイツゼッカー氏

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 【ベルリン=宮本隆彦】東西統一後のドイツで初の大統領を務め、一月三十一日に九十四歳で死去したリヒャルト・フォン・ワイツゼッカー氏の公式追悼式典が十一日、ベルリン大聖堂であった。元大統領は戦後四十年を機にドイツの戦争責任を直視するよう国民に求めた演説で知られ、ガウク大統領は「国家への傑出した貢献だった」と称賛した。

 ガウク氏は、ドイツ国旗に包まれたひつぎの前で追悼の演説をした。元大統領による一九八五年の演説が重要なのは「誰も気づいていないことを言ったからではなく、その時点でさえ知りたくないと思う人たちがいる中で、国民が知らなければならないことを語ったからだ」と述べた。

 元大統領が、ドイツの戦後四十年に当たる八五年五月に連邦議会で行った演説は「荒れ野の四十年」演説として知られる。「過去に目を閉ざす者は現在にも盲目になる」「われわれすべてが過去を引き受けなければならない」と述べてドイツの戦争責任やホロコースト(ユダヤ人らの大虐殺)と正面から向き合うよう国民に求めた。演説は世界中に感銘を与え、戦後ドイツの信頼回復に大きな役割を果たした。

 

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