米国コネチカット大学のアレクシス・ダデン教授(46)は「日本政府の教科書修正要求は学問の自由に対する直接的な脅威であり、教科書を執筆したハワイ大学ハーバート・ジーグラー教授を私たち歴史学者が支持しなければならないということにすぐ同意した」と語った。安倍首相は先日、米国の教科書に日本軍慰安婦問題が間違って記述されていると語り、その前にも日本の外務省は教科書を発行したマグロウヒル社に慰安婦に関する部分を削除するよう要求していた。
この声明は、1月2日にニューヨークで開催されたアメリカ歴史学会(AHA)年次総会で満場一致により採択された。ダデン教授は「日本の間違った行動に対し警告すべきだという共感と連帯感が強かった。歴史は自分の都合のいいように選び、必要なものだけを記憶するものではない」と述べた。以下は一問一答。
-声明に賛同したのはどんな学者たち?
「さまざまな地域を研究する、さまざまな地位の学者たちが集まった。アジアを専攻する学者だけでなく、ロシア、欧州、ラテンアメリカなど世界各地の専門家だと考えればよい」
-日本政府の教科書修正要求を歴史学者たちはどのように受け止めているのか。
「学問の自由に対する直接的な脅威だと深刻に受け止めている。日本政府が独特なのは、従軍慰安婦問題は論争の種ではなく、すでに全世界が認めている『事実』なのにもかかわらず、しきりに政治的な目的をもってこれを変更、あるいは歴史の中から削除しようとしている点だ。マグロウヒル社は非常に評判が高い出版社で、見当違いもいいところだ」
-なぜ安倍政権はしきりに歴史問題を取り上げると思う?
「日本政府の不名誉を覆い隠そうという意図ではないかと思う。しかし、河野談話を通じて多くの人々が慰安婦に関する真実を知り、これを認めている。日本の人々も同様だ。特に慰安婦に関する真実のほとんどは、日本人学者の吉見義明・中央大学教授の努力により証明されている。さらに過去数十年間、日本の小中高校に関連の記述があったが、安倍政権になって急に、安倍氏とその支持者たちが真実を変えようとしている。自分たちに有利な記憶だけ大事にしようとしているが、これは問題だ」