原発事故:「地域が崩壊」田村市都路105世帯が東電提訴
毎日新聞 2015年02月09日 18時53分
東京電力福島第1原発事故で地域のつながりなどを失ったとして、福島県田村市都路(みやこじ)地区の旧緊急時避難準備区域(同原発から20〜30キロ)の105世帯339人が9日、東電と国に慰謝料など計約37億円を求めて福島地裁郡山支部に集団提訴した。
訴状によると、地区の8割を占める山林の除染が手つかずで住民が山菜採りなどに立ち入りできなくなったほか、子どもや若者らが避難を続けていることなどで地域共同体が崩壊したとしている。
20キロ圏外の原告に対する精神的賠償が2012年8月で打ち切られたことへの不満も訴訟の背景にある。原告代理人の弁護団によると、約40世帯百数十人が追加提訴する予定。
東電福島広報部は「訴状が届いていないので詳細は分からないが、内容や主張を聞いて真摯(しんし)に対応する」とコメントした。【土江洋範】