UAE 「イスラム国」空爆見合わせか2月5日 12時05分
イスラム過激派組織「イスラム国」が、ヨルダン軍のパイロットを殺害したとする映像を公開したことを受けて、ヨルダン政府は対抗措置として、「イスラム国」への空爆を強化する方針を示しました。一方、欧米のメディアは、これまで空爆に参加していたUAE=アラブ首長国連邦が空爆を見合わせていると報じ、アメリカ軍が主導する有志連合の結束に乱れが生じているのではないかと懸念する声も出ています。
イスラム過激派組織「イスラム国」がヨルダン軍のパイロットを殺害したとする映像を公開したことを受けて、ヨルダンのアブドラ国王は4日、安全保障対策会議を開き、「われわれは『イスラム国』を崩壊させるまで容赦なく戦う」と強調し、アメリカ軍が主導する有志連合の一員として空爆を強化する方針を示しました。
一方、アメリカの新聞ニューヨーク・タイムズなど欧米のメディアは、有志連合の空爆に参加していたUAEが、ヨルダン軍のパイロットが「イスラム国」に拘束された去年12月以降、空爆を見合わせていると報じました。
ニューヨーク・タイムズは、UAEが自国のパイロットの安全に不安を感じ、アメリカ軍が救出作戦を実施できる態勢をイラク国内に築くまでは空爆を停止しているなどと伝えています。
一方、アメリカのCNNテレビは、アメリカ軍がイラクの北部に救出作戦の態勢を築き始めていると伝えていますが、UAEの求めに応じたものかどうかは分からないとしています。
アメリカ国務省の報道官は「UAE側に問い合わせてほしい」と述べ、事実関係の確認を避けており、アメリカ軍が主導する有志連合の結束に乱れが生じているのではないかと懸念する声も出ています。