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 授業科目 法学部入門演習
Introductory Seminar to Legal and Political Science Studies
 担当者
講師   大畑 綾子  後学期 水曜日3時限/水曜日4時限
      /水曜日5時限
講師   神坂 亮一  後学期 水曜日3時限/水曜日4時限
      /水曜日5時限/金曜日5時限
講師   坂本 礼子  後学期 月曜日1時限/月曜日3時限
      /水曜日3時限/水曜日4時限
      /水曜日5時限/金曜日5時限
講師   柚木 利志  後学期 月曜日3時限/金曜日5時限
 単 位 2

到達目標
本授業の到達目標は、受講生が、①論理的文章を書くための基本の型を習得すること、②論理的文章を書くことに対する苦手意識を克服し、自信を持てるようになること、③論理的文章力を身につけて、大学レポート、卒業論文などの執筆に応用できるようになること、③社会に出たときに求められる、正解のない問題を考える力(クリティカル・シンキング)を伸ばすことである。
 
授業内容
1)本授業では、日常生活から社会問題まで、受講生に考えてもらいたい4つの課題を下記の使用書(テキスト)の中から出題する。受講生は課題に対する200~600字程度の小論文を書く。書いて提出された小論文は添削・採点をして、次々回の講義時に返却する(課題1のみは次回返却)。
2)講義では、テキストに沿って、論理的な文章を書くためのテクニックと、それぞれの課題を書くときに必要な基礎知識を解説する。
3)受講生は、講義、添削指導を踏まえて、4つの課題の小論文を全て書き直す。書き直して提出された小論文は採点して、次々回の講義時に返却する(課題1のみは次回返却)。
4)執筆のない回(第3、5、8、10、12、15回)には、論理的文章力を下支えする、ロジカルシンキング、クリティカルシンキングを養うための日本語トレーニング問題を、20~30分の時間を費やして取り組む。
5)第7、8回は、ディスカッション、プレゼンテーションの時間を設けて、受講生に発信の機会を設ける。
6)第14回は実力テスト(日本語トレーニング問題数問、小論文記述問題)を実施し、受講生の総復習の機会を設ける。
 
授業計画
各回の講義内容は次のように予定しているが、時間の関係で若干前後する場合もある(カッコ内は、後掲使用書の該当部章節を示す)。
テキストを読んだ上で出席していることを前提に講義するので、予習として、各回の該当頁を予め読んでくることが不可欠となる。
復習としては、講義内容と添削指導内容を振り返りながら、自分の書いた小論文の改善点を考察することを勧める。また、テキスト各章末の復習課題に取り組み、各章の学びの定着を図ることが望ましい。

1.ガイダンス/論理的な文章とは(第1部第1章)
 まず、シラバスの記載事項について確認する。そのうえで、論理的文章とは何か、作文との違い、「型」の重要性、二部構成での小論文の書き方を学ぶ。
課題1「選挙権年齢を18歳に引き下げること」(第1部第1章・課題1)に取り組む。200字程度の小論文を書く。(提出→添削、採点を行い、第2回に返却)
2.イエス・ノー両方の意見を考える(第1部第1章)
 課題1を再検討する。基礎知識解説を行い、ディスカッションを交える。
課題1を、講義、添削指導を踏まえて書き直す。(提出→採点を行い、第3回に返却)
3.四部構成(第1部第2章)
 四部構成「問題提起・意見提示・展開・結論」の書き方を学ぶ。
レベル1「日本語トレーニング」(第3部)に取り組む。
4.イエスの立場から論理的な文章を書く(第1部第2章)
 課題3「ファストフード」(第1部第2章・課題3)に取り組む。イエスの立場から400字程度の小論文を書く。(提出→添削、採点を行い、第6回に返却)
5.メモの取り方(第1部第2章)
 3WHAT・3W・1Hによるアイデアメモの作り方、論のずれを防ぐための構成メモの作り方を学ぶ。
 レベル2「日本語トレーニング」(第3部)に取り組む。
6.ノーの立場から論理的な文章を書く(第1部第2章)
 課題3を講義、添削指導を踏まえて、ノーの立場から書き直す。(提出→採点のみ行い、第8回講義中に返却する)
7.発信する①ディスカッション(第1部第3章1)
 小論文の技術を応用して、ディスカッションにおける発言の仕方、説得する方法、反論の仕方を学ぶ。
課題5「延命治療の是非」(第1部第3章・課題5)に取り組む。小論文を書く前に、ディスカッションを通じて、他の受講生の意見、アイデアに触れ、多様なものの見方を学ぶ。600字程度の小論文を書く。(提出→添削、採点を行い、第6回に返却)
8.発信する②プレゼンテーション(第1部第3章2)
 小論文の技術を応用して、プレゼンテーションの構成の仕方を学ぶ。
グループ分けをして、課題5を題材にグループ内でディスカッションを行う。グループの代表意見をまとめてプレゼンテーションを行なう。
レベル3「日本語トレーニング」(第3部)に取り組む。
9.前半の総復習
 第1回~第8回で学んだことをダイジェストで振り返る。
課題5を講義、添削指導を踏まえて書き直す(提出→採点を行い、第9回に返却)。
10.論説文を読んで論理的な文章を書く(第1部第4章)
 課題の論説文から主張を読み取る。読み取った主張に対し、イエス・ノーを論じる文章の書き方を学ぶ。
レベル4「日本語トレーニング」(第3部)に取り組む。
11.論説文を読んで論理的な文章を書く(第1部第4章)
 課題7「ものをはっきり言わない日本人のあり方」600字程度の小論文を書く(提出→添削、採点を行い、第13回に返却)
12.グラフ・図表などの資料の読み方(第1部第5章)
 グラフや図表などの数量データから主張を読み取る。読み取った主張に対し、イエス・ノーを論じる文章の書き方を学ぶ。テキストの例題に即して、データから主張を読みとるコツを紹介する。
第15回に実施する実力テストの小論文課題を予告する。
ジャンル1「日本語トレーニング」(第3部)に取り組む。
13.文章・資料の背景を探る(第1部第5章)
 文章、グラフ・表、絵、写真など様々な資料から主張を読み取るコツを学ぶ。
課題7を講義、添削指導を踏まえて書き直す(提出→採点を行い、第15回に返却)。
14.後半の総復習・実力テスト
実力テストを実施。終了後、テスト内容の解説をしながら、13回までに学んだことをダイジェストで振り返る。
15.これまで学んだことを大学レポート・卒業論文に活かすには(第2部)
 小論文で身につけた文章構成力や論理的思考力を応用することを学ぶ。レポートと小論文の違い、基本的なレポートの「型」、論文の章だての仕方、レポート・論文における表記ルールなどを講義する。
ジャンル2「日本語トレーニング」(第3部)に取り組む。

 
授業運営
講義中の電子機器の使用は一切禁ずる(ただし、障がいを持つ者等で担当者が特に許可した場合を除く)。携帯電話の電源を切る(マナーモード不可)。ただし、文章執筆の時間は電子辞書の使用を許可する。
 
評価方法
提出する8本(書き直しを含む)の小論文の評価点の合計を60%、第14回講義時に実施する実力テストの得点を20%、平常点(追加提出、授業態度等)20%として評価する。
小論文の評価基準は、構成の基本を踏まえているか、テーマと噛み合っているか、論点が明確か、根拠を示せているか、社会の現状を踏まえているかなどを確認し、それぞれに対し、A(7.5点)B(6点),C(5点)D(4点)の4段階評価を行う。
実力テストは小論文の4段階評価を2倍で計算する。小論文の得点に、日本語トレーニングの得点(5点満点)を加算する。
平常点は、基本点(10点)を全受講生に加点する。さらに、復習課題への取り組みなど、特筆すべき点のある学生には、さらに加点(1~10点)をして評価する。
なお、講義を4回以上欠席した者は評価の対象としない。

 
オフィスアワー
質問や指摘は講義後にその場で受け付ける。
 
使用書
樋口裕一・白藍塾『大学生のための論理的文章力入門』[はくらん]2014

 
 
 
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