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» 2015年02月09日 08時32分 UPDATE

生き残ったのはわずか3匹 葛西臨海水族園「マグロ」大量死の謎 ウイルスかストレスか……その真相は (1/3)

葛西臨海水族園でクロマグロなどの死亡が相次ぎ、11月に159匹が泳いでいた水槽も、今は3匹を残すのみに。いったい、水族園で何があったのか。

[産経新聞]
産経新聞

 世界初の大群のマグロの展示に成功した東京都葛西臨海水族園(江戸川区)で、異常な事態が起きている。大型水槽で昨年12月からクロマグロなどの死亡が相次ぎ、11月に159匹が泳いでいた水槽も、今はクロマグロ3匹を残すのみに。死んだ個体からはウイルスが検出されたが、種類は特定はできておらず、未知のウイルスの可能性を挙げる専門家もいる。いったい、水族園で何があったのか。(今仲信博)

大きな水槽をマグロがまばらに右往左往…

画像 がらんとした大型水槽の中では、3匹のクロマグロが狭い範囲を行ったり来たりしていた=1月22日、東京都江戸川区の葛西臨海水族園

 1月22日に同園を訪れると、入り口には「昨年12月からマグロ類の死亡が続き、展示数が減少しています」という案内文が掲示されていた。クロマグロなどを展示しているのは、直径約30メートルのドーナツ状の大型水槽。昨年11月1日にはクロマグロ69匹と、クロマグロと同じサバ科の仲間のスマ52匹、ハガツオ38匹が飼育され、迫力あるマグロの回遊が人気を呼んでいた。

 しかし、訪れたこの日に記者が確認できたのは、クロマグロ3匹とハガツオ3匹のみ。2歳の長女を連れた近くの主婦(41)は「マグロの回遊は圧巻だったので、子供に見せたかった。次に来るときには、元通りに戻っていてほしい」。福島県から家族で来た男児(4)は「マグロが楽しみだったけど、3匹しかいなくてかわいそう」と残念そうに話した。

 がらんとした水槽の中で、3匹のクロマグロは数メートルの狭い範囲を行ったり来たりしていた。同園の担当者は「マグロは群れで生活する魚なので、落ち着かなくて右往左往しているのだろう」と説明した。

死んだ魚は肥料になって植え込みなどに使用

 飼育員が異変に気づいたのは昨年12月上旬。水槽内のスマに浮かんだり沈んだりする「異常遊泳」が見られるようになり、死ぬ個体が相次いだという。その後も、ハガツオやクロマグロも相次いで死亡し、スマは1月19日までに、ハガツオは同26日までに全滅した。

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