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【日本の議論】
たどたどしい日本語、外国人実習生に「介護」できるのか…介護現場「人手不足」を「外国人実習生=安価な労働力」で穴埋めする日本政府の“筋違い”
そこで着目したのが外国人技能実習制度だ。塩崎恭久厚労相は自民党政調会長代理時代に、職種に介護の追加を含めた自民党案作成に携わり、安倍晋三政権の成長戦略に盛り込んだ経緯がある。
とはいえ、日本語能力の確保を要件とした議論の出発点は、介護分野に外国人実習生を受け入れることで、「言語の壁」が利用者に不安を与えるとの懸念に対応するためだった。日本人の介護職員の指導を受けながら、たどたどしい日本語の実習生が要介護者に寄り添い、その表情やしぐさをみて適切な介助ができるのか。「意思疎通がとれず、現場の混乱や事故を招きかねない」(自民党厚労族)との指摘は少なくない。
また、技術移転による国際貢献が目的の技能実習制度について、中間報告は「人材不足への対応を目的としていない」とクギを刺し、こう念押ししている。