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【日本の議論】たどたどしい日本語、外国人実習生に「介護」できるのか…介護現場「人手不足」を「外国人実習生=安価な労働力」で穴埋めする日本政府の“筋違い”

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【日本の議論】
たどたどしい日本語、外国人実習生に「介護」できるのか…介護現場「人手不足」を「外国人実習生=安価な労働力」で穴埋めする日本政府の“筋違い”

平成21年5月、経済連携協定(EPA)に基づき、日本で介護福祉士と看護師の資格取得を目指すフィリピン人候補者200人以上が来日。当時は新型インフルエンザ対策として、全員がマスク姿で成田空港に到着した(早坂洋祐撮影)

 ベトナムは、現地で入国前の段階で、国際交流基金などが実施している日本語能力試験の「N3」の取得が必須となっている。試験のランクは最も難しい「N1」から最低の「N5」まであり、「N3」は、日常的な場面で使われる日本語をある程度理解できる小学校高学年レベルだ。ベトナム出身の介護福祉士を受け入れている施設責任者は「コミュニケーションには問題ない。利用者や家族からの苦情もない」と評価する。

 ただ、こうした成功例は少数のようで、原則4年のうちに介護福祉士の国家試験に合格しなければ、直ちに帰国しなければいけない。合格してもやや待遇が向上する程度だが、これまで3カ国で計1538人が来日。国家試験に合格して日本で介護福祉士として働いているのは203人(昨年10月時点)にとどまる。会話はできても読み書きは苦手な外国人が多く、筆記試験をなかなかクリアできないのだという。人手不足の解消には「焼け石に水」といえる。

 そこで、介護福祉士の資格を必要としない外国人介護労働者を「技能実習制度」で迎えるという案が出たのだ。介護の現場では介護福祉士の資格を持たない職員も多いが、資格の有無の差は待遇で若干の違いがある程度だとされている。

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