2月8日、本物の自動車を将棋の駒に見立てて戦う異色の将棋イベント「リアル車将棋」が行われ、ニコニコ生放送で中継されました。
西武ドームに作られた巨大将棋盤のサイズは、通常の将棋盤の1万4835.16倍という「地上最大の対局」。トヨタの新旧の名車を将棋の駒に見立て、羽生善治名人と豊島将之七段という将棋界のトップ棋士が熱戦を繰り広げました。
両対局者は「王将」こと新旧のクラウンことに乗って登場。先手と後手を決める「振り駒」を行うのは、元プロ野球選手であり元トヨタ社員でもある古田敦也さん。広大な野球場の真ん中に座布団を敷いて振り駒を行うという不思議な光景に、ニコニコ生放送では「いろいろとシュールすぎるw」というコメントが多く書き込まれました。
先手が豊島七段に決まりいよいよ対局開始。車将棋では、対局者の指し手をドライバーチームが盤上に再現して初めて着手完了となります。持ち時間の4時間が切れたらその時点で負け。車の移動時間も持ち時間に含まれるため、運転技術や対局者の手を予想しドライバーたちに指示を出す「サポート棋士」の役割も重要です。
開始前には「角交換は車の移動が大変そう」という意見も出ていましたが、戦型は序盤からいきなりお互いの角を交換する「角換わり」に。プロの間で現在最も盛んに研究されている流行の戦法で、豊島七段はこのために用意してきた「新手」も披露。お祭りムードの強いイベントながらすっかりガチンコ勝負となり、ドライバーチームも巧みな車さばきで両対局者の思いに応えます。ちなみに気になる「駒の成り方」ですが、さすがに車がひっくり返るのではなく、車の上に設置された駒の表示を変えるというものでした。
実況解説を行う中継室には、多くのゲストが出演。車好きなテリー伊藤さんとピストン西沢さんが車談義に花を咲かせたり、将棋好きで知られる乃木坂46の伊藤かりんさんや声優の岡本信彦さんが大盤解説に挑戦するなどして、「車と将棋」という異色のコラボを盛り上げました。先日史上初の「大学院生竜王」となった糸谷哲郎竜王(関連記事)も登場し、無茶ぶりな「おやつ食レポ」をさせられたり「ドラゴンキング」といじられたりしていました。棋界最高位の竜王をいじり倒すとはさすがニコ生、自由すぎる。
将棋のほうも解説のプロ棋士たちが頭を抱える難解な熱戦に。巧みな「ヴィッツ(歩)の手筋」を使って中盤でリードを奪った豊島七段でしたが、丁寧に対応し続けた羽生名人が終盤一気に反撃。最後は鮮やかなカウンターで見事勝利を収めました。
車を使って将棋を指すというシュールでユニークな企画に、ニコニコ生放送の視聴者数は46万人を超える盛況に。バブル時代のバラエティ番組のような大がかりな内容に「久しぶりに本気でバカやってる番組だw」「次は本物の動物集めて『リアルどうぶつしょうぎ』やろう」などとノリノリなコメントも集まり、大好評となっていました。
(たろちん)
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