「どこであろうと日本人の虐殺は続く」――。イスラム国のこの脅迫メッセージに、政府だけでなく企業もテロ対策の強化を急いでいる。中でもピリピリムードなのが、安倍首相の中東ミッションに同行した46社だ。
日本政府がイスラム国から身代金2億ドルの要求を突き付けられた時、安倍首相は中東歴訪の真っ最中だった。トップセールスによる経済外交の側面もあり、多くの経済人を引き連れていた。その時、同行していた企業がテロのターゲットになる恐れが出ている。現地では同行企業の活動がニュースになり、社名まで報じられているからだ。
「中東ミッションに同行したのは銀行、商社、ゼネコンなど合計46社でした。内訳はエジプト31社、ヨルダン20社、イスラエル26社。2カ国以上に同行した企業も少なくありません。これだけの企業数ですから、地元では新聞記事として報じられ、ヨルダン・タイムズは20社の全社名と個人名、肩書まで書いていました。今となっては、社名が表に出たのは危機管理上、望ましくなかったですね」(企業関係者)