初めてできた! 光のメビウスの帯が科学者達によってつくられる

2015.02.08 15:00
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帯状の紙とテープがあれば誰にでも作れる「メビウスの帯」。その不思議な形を物体を使って再現することはできます。例えば、椅子テーブルはあるのですが、これをで再現することはこれまで不可能でした。

でもマックス・プランク光学・光化学研究所(Max Planck Institute for the Science of Light)の研究者たちは、それ可能にしたのです。でもどうやって?

まずは2005年、イスラエルのバル=イラン大学のIsaac Freund物理学教授により、偏光(特定方向にのみ振動する光)が捻じれうると示唆されました。そのアイデアを元にメビウスの帯を再現できる実験設備を作ったのは、マックス・プランク研究所の研究者であるPeter Banzer博士です。

この実験では、緑色の二本の偏光レーザービームをお互いに干渉するようにさせています。ビームは光の波長よりも小さな金の玉で反射されるようになっており、これにより3回もしくは5回捻れたループ状の偏光パターンが作り出されます。その捻れ方は、まるでメビウスの帯のよう…ただし、メビウスの帯の捻れは1回なので正確に言えばこの実験の偏光パターンはメビウスの帯とは呼べませんけどね。それはさておき、Banzer博士はニュー・サイエンティスト誌オンライン版でこう説明しています:

メビウスの帯が本当に存在するという初の(実験的な)証拠です。これは学会でも10年前から議論されてきたことです。これらの発見は光とその特性の豊かさを際立たせるものです。

帯状の紙とテープでメビウスの帯を作っても、「だからどうした」といった感じですが、この光のメビウスの帯(もどき)は違います。将来、光の相互作用について新たな考え方をもたらす助けとなるかもしれないのです。Banzer博士の研究班ではまた、この光の帯を小さな粒子を捉えるのに使えるのでは、とも言っています。


image by Jane_Lane/Shutterstock
source: Science via New Scientist

Jamie Condliffe - Gizmodo US[原文
(abcxyz)

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