古田大輔、福山崇
2015年2月9日05時36分
経済誌から生まれたサイト「東洋経済オンライン」が、急成長を続けている。昨年7月に就任した山田俊浩編集長(43)のもと月間ページビュー(PV)は半年で倍に。1月は9304万PVを記録した。「年度内に1億、年内に1・5億」を目指す。記事を無料で見せる広告モデルで黒字化に成功し、さらに電子商取引(EC)やマイクロ課金にも乗り出す。
東洋経済オンラインは、前編集長の佐々木紀彦氏(35)が2012年にリニューアル。オリジナル記事を増やし、ヤフーなど外部の配信先からの流入を増やす「オープン化戦略」で、月間1千万PVだったサイトを4カ月で5100万PVに成長させた。
昨年7月に新興メディア「ニューズピックス」の編集長へ移った佐々木氏の後任が、9年先輩にあたる山田編集長。IT分野を長く取材し、週刊東洋経済で「アマゾンの正体」「ネット新金脈」などヒット企画を連発。紙とオンライン両方の記事づくりを担当していた。
後輩の後任という異例の人事は「前任が会社を去ってPVが急減したら大問題。エースを投入した」(東洋経済新報社員)。
成果は周囲の予想を超えた。佐々木氏時代の後半は4千万PV前後を推移し、「5千万PVが壁」(佐々木氏)だったが、山田編集長は就任直後の7月にいきなり過去最高の5300万PVを記録。その後も、7カ月連続でPVとサイト訪問者数(UU)の最高記録を更新している。
オンライン編集部の人員は8人で変わらないが、記事1本あたりのPVとUUが倍増した。なぜ、そんなことが可能なのか――。
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